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第46話
「ここで感じてる千世も見てみたいな」
「やっ……無理、だよ。……だって僕、男――っあ!」
胸の先をそっと撫でられて高い声が上がる。
まずい、このままだと昨日のようになってしまう。
「ほら、そうやって可愛い声出して。感じてるんじゃないのか?」
「ち、ちが…ぅ……んん、ん」
「そんなこと言って、お前、どんだけ可愛い顔してるか分かってんのか?」
そう言うと廉佳はもう片方の手でベッドの下を漁り始めた。
何を取り出すのかと思えば、彼の手は一冊のスケッチブックを掴んでいる。
「これ。昨日描いた千世」
「僕……?」
廉佳がスケッチブックのページをめくる。すると一枚目から、あられもない格好をした千世の絵が現れた。
「なに、これ……ほんとに僕?」
次々と出てくるスケッチの千世は、どれも泰志にのしかかられて顔を紅くしたり、裸に剥かれた身体を弄ばれてみっともなく泣いていた。
「こんなの全然可愛いくないよっ。僕、すごくかっこ悪い……」
「そんなことあるわけないだろ。お前は最高にエロくて可愛くて――俺だけのものにしたいくらいだ」
「廉佳さ…今……ん、やぁ…ぁ」
「――やっぱ何でもない」
「え? れんかさ……どぅした、の……んぁ――痛ッ」
独り言のように囁かれた言葉は、『俺だけのものにしたい』と聞こえた。だがそれを尋ねようとすると、ぎゅっと乳首を摘まみ上げられる。
「ごめん。ちょっと強かったな」
今度は乳輪の周りをくるくると指先でなぞられ、こそばゆさに肩を竦める。廉佳は千世の反応を確かめるように片手で乳首を弄りながらベッドにおいたスケッチブックをぱらぱらとめくっているが、なぜか千世の眼はそれに釘付けだった。
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