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第48話
「あ、あの! 廉佳さんは、なんでBLが好きになったの……?」
「それ聞くか? 長くなるぞ」
「その方が嬉し――じゃなかった、大丈夫! 僕、廉佳さんが好きなものについてもっと知りたいんだ」
努めて明るく振る舞うと、廉佳は一度千世の身体から離れてベッドの奥を覗き込んでまた何かを漁り始めた。
これで身体への悪戯から解放される。千世の思惑通り――の、はずだった。
「そうか、千世もBLに興味をもってくれるとはな。……まずはこれを読んでくれないか?」
廉佳が、それはそれは嬉しそうに一冊の本を差し出した。
いや、これは本というか漫画だろうか。表紙に漆黒のスーツを纏った妙齢の男性二人が描かれている、B5サイズの薄い漫画本。
早速中を見てみるが、そこに出てくるキャラクターはみんなどこかで見たことがあるような気がしてならない。
「それ、二次創作の同人誌」
「二次創作?」
「あるアニメや漫画を元にして、ファンたちが自由に創作物を書くこと。そういうのを好きな人たちが、サークルや個人で出してる趣味の本を同人誌って言うんだ」
「じゃあこれも同人誌なの?」
「ああ。『サンセット・スナイパー』ってアニメ知ってるか?」
「廉佳さんが大好きだって言ってたやつだね」
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