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第76話

『……今日の昼の続きを話したいんだ。千世に告白されてからまだ自分の気持ち伝えてないと思って。だから、聞いてほしい』 「うん……」  こんな真面目な話をするのは久し振りだ。千世が大学へ進むときは、迷うことなく廉佳が通っている公立大学を受けると決めていたので、進路相談らしいこともしなかった。悩むことといえば、男である千世が廉佳に好意を抱いていても良いのかということばかりだったので、誰にも話さず過ごしてきたから。 『――こないだ、お前に好きだって言ってもらえて嬉しかった。ガキの頃から一緒だったのに、恋愛対象として見てくれて』 「実はあの時、言うつもりはなかったんだ。廉佳さんを好きなだけで幸せだったから、変なこと言って関係を壊したくなくて」 『ああ。それなのに俺、お前の気持ちを踏みにじるようなことして……いくら謝っても足りないと思ってる。ごめん』 「そっ、そんなに謝らないでよ」

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