86 / 234
第87話 ※
体内では廉佳の指が二本蠢いて、自身は泰志に念入りな口淫を施されている。どちらか片方だけでも耐えられたものではないのに、一遍に弱いところを責められてこれまでにないほどの快感を喰わされた。
「あっ…ふ、う……や、あ、ッあ」
泰志は口でするのは初めてだと言っていたが、それを思わせないくらい彼の技は上手かった。
以前彼は、兄弟だから感じるところは似てるのかなと思って、と話していた。もしかするとそういう感覚は兄弟でシンクロしているのかもしれない。
一方廉佳は後孔の入り口をかき回しながら首筋にキスを落としてくる。
「千世って肌も綺麗だよな。あまり外に出ないから白いし、なんかすべすべしてて喰べたくなる」
「いっ――ぁ、んっ」
首筋の髪を鼻先でかき分け、うなじの辺りに唇で触れてくる。軽く歯を立てられたので本当に喰べられてしまうのかと思った。
そのまま首筋を何カ所か強く吸う廉佳を見て、泰志が不満そうに告げる。
「また廉にぃばっかりそういうことして……俺もやるっ」
「え?」
何のことかと思ったら、泰志が千世自身から口を離して今度は内腿に唇を近付けてきた。そして足の付け根に近い部分を音がしそうなくらい吸い上げる。
次に泰志が顔を上げると、そこにはくっきりと紅い痕が付いていた。
(これと同じのが、首にも……?)
ともだちにシェアしよう!