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第91話 ※

 廉佳の声に焦りの色が滲む。何をされるのか全く検討がつかなくて、また千世だけ蚊帳(かや)の外にされているようで不安になり、二人に交互に眼をやる。 「千世はまだ二回目なんだぞ。さすがに厳しいんじゃないか?」 「平気だよ、千世にぃは感じやすいし。でも本当に厳しそうならすぐに止めるから」 「なっ…ぁ、何するの……?」  憂いに染まる眼差しを泰志に向けると、彼はにっこりと微笑んだ。千世の疑心を払拭しようとしているのか、彼の顔に浮かぶ表情からは何も読み取れない。  そんな泰志の手が千世の後孔――今まさに廉佳と繋がっているところに伸びてきた。廉佳のものを(くわ)え込んでいる、その縁をそっとなぞる。 「ぁっ……泰志?」 「ここに、俺のも入れていい?」 「え――」 「ほら、千世が困ってんだろ」  困るより以前に、泰志が言ったことがまだ理解できなかった。  入れるとは、そこに? 廉佳のものだけでも内壁が満たされているのに、そんなところに泰志もなんて這入るわけがない。どう考えたって不可能だ。弟は何を言っているのだろう。  それなのに泰志は千世の中に指を忍ばせてくる。 「んぅ…ん、あ…やぁ、ああっ」 「うわ、すご……もうここ、とろっとろじゃん」  既に廉佳に穿たれているところは泰志の指すらも飲み込んでしまった。小物を摘まむような指の形で、内と外から揉みほぐされる。

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