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第111話 ※

「舐めにくいな……四つん這いになってくれる?」 「……?」  独りごちるように言われて、千世は訳も分からず体勢を変える。だがどうしても羞恥には勝てず、正座を崩して尻を床にぺたんと付けた女の子のような座り方になってしまった。 「それも可愛いけど、俺は四つん這いになってって言ったよ」 「でも……ひぃ!? ちょ、ぃやだよ……っ」  泰志の望みに適わなかったせいで腰を掲げられ、両手両膝をついた恥ずかしい格好にさせられた。秘めた場所を晒されて、カッと火が付いたように全身が熱くなる。  だが泰志の次の行為は千世を逆上(のぼ)せ上がらせた。 「んぁああァあッ――! だめ…そんな、とこ」  温かくぬるぬるとしたものが後孔に触れる。泰志の舌だ。  固く閉じた窄まりを舌先でつついて中に這入ってこようとしている。 「あぅぅ…き、汚いから…だめ……っ」 「汚くないよ、千世にぃは」 「そ、じゃなくて……ぁ、ぁあっ」  そこはまだ廉佳にも舐められたことがない。柔らかい感触をありえないところに感じて息を呑む。  泰志の舌は窄まりをしつこく舐めた後、僅かに緩んだ隙に体内に侵入してくる。 「はぅ、ぅ…あ、やぁ……」  入り口を唾液で濡らされて、ひちゃひちゃと淫らな音がしてきた。耳を塞ごうにも手が使えないので不可能だ。その音を聞いていると鼓膜からも陵辱されているみたいなのに。

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