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第114話 ※
「ぅあ、ああぁ…苦し……イきたぃ……」
「なら早く言ってごらん。すぐ楽になれるよ」
「ぁふ…ぁああ、アあぁあ! も、やだぁ」
「なら早く。このままじゃ嫌なんでしょ?」
指が内壁を刳 る間隔が短くなって、喉の奥から高い声が押し出される。
――イきたいのにイけない。
おぞましいほどの快感が千世を喰らい尽くし、遂にぎりぎりのところで保っていた理性を瓦解させた。
「……っ…、イきたい……泰志の、を…僕に――入れ…て」
「よくできました」
弟にこんな姿にされてその身体を求めるなんて、ほんの二ヶ月前の自分からは想像もつかない。千世は泰志に顔を見られないように項垂 れるが、すぐに体勢を崩して仰向けにさせられる。
「やっぱり顔が見えてた方がイイね」
「んっ――んぁああァ! あっ、やぁ、あ」
舌で丹念に解された場所に泰志の熱が触れる。かと思ったら何の躊躇いもなしに最奥まで貫かれて、千世は背中を撓 らせた。
「あはっ、入れただけでイっちゃったね」
「え……?」
泰志に指摘されて腹部を見ると、そこには自らが放った欲望の証が散っていた。自分でも気付かないで達してしまうなんて初めてだ。
「焦らしすぎたかな? でも、まだまだこれからだからね」
「…あ、んん…、ぁあ」
泰志の容赦ない突き上げに、だらしなく開いた口の端から唾液が垂れる。はしたなく上がる嬌声も、彼の律動に合わせて動いてしまう腰も、自分の意思では止められなかった。
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