114 / 234

第115話 ※

 激しく揺さぶられて脳内までかき回されているみたいで、千世は何も考えられずに快楽だけを貪る。 「ぁあッ、だめ…おく、は……やぁあ」 「千世にぃは『だめ』なことが多いね。俺はもっと虐めたくなっちゃうから関係ないけど」 「ひ、ぅあ…あっぁあああ」  泰志が身体を屈めてきて千世の胸に吸い付く。その突起を舌で転がされて、ただでさえ過敏になっていた身体が戦慄いた。泰志は千世の胸に何カ所か痕を付けると、浮き出た首の筋を舌で辿り、襟足の辺りに噛みついた。  体中の神経で快感を覚えるようになっている今、些細な刺激でも絶頂へ(いざな)う導火線となる。 「いたっ、痛いッ……! 泰志、痛いよ」  だが思ったより強く歯を立てられ、痛みの方が勝ってしまって千世は眉間に皺を寄せた。 「あ、ごめん……」  すぐに顔を上げた泰志の眼に動揺の色が滲む。彼自身、我を忘れていたらしい。 「めずらしい、ね」 「ほんとにごめん。痛かったよね」 「だいじょぶ…だよ――っぁん」 「なら良かった」  再び腰を送られて鼻が鳴る。千世はもう気にしてないことを伝えると、泰志は安心したように抽挿を続けた。 「あ、あぁ…いっ……んぁあ」 「千世にぃ、気持ち良い?」 「ん、うん――きもち、ぃい」  千世は夢中になって頷いた。こんなこと、正気では言えない。

ともだちにシェアしよう!