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第121話
「ふぅー、結構疲れたね」
「暑かったしな。それだけでも体力持っていかれた感じだ」
他愛もない話をしながら、スタッフの休憩所となっている教室へ急ぐ。早く涼しい部屋で休みたかったから。
「廉佳さん、お昼はどうするの?」
「これからコンビニに行こうと思ってたけど。千世は?」
「実は僕、お弁当作ってきたんだ。二人分」
教室に入った千世は、鞄から弁当の包みを取り出した。大きめのタッパーにおかずを詰めて、ご飯はおにぎりにして三つ用意した。もちろん廉佳の分が二つだ。ここはずっと冷房が効いているし、保冷剤も付けてきたから防腐はできている。
「千世の手料理か。久し振りだな」
廉佳が最後に千世の料理を食べたのは確か半年前。廉佳とは家族ぐるみの付き合いなので、どちらかの家で食事をご馳走になることもよくあるが、あの時は千世と泰志が廉佳の家に泊まりにいった。そこで彼の両親が外出中だったので千世が夕食を作ったと言うわけだ。
昔から祖母と一緒によく台所に立っていたので、料理は千世の得意分野でもある。
食べてくれて喜んでくれる人がいれば、それは一層好きになれる。
適当な席について弁当を広げていると廉佳がお茶を持ってきてくれた。
「お、美味そうだな」
「廉佳さんが好きな唐揚げもあるよ」
正直冷房が壊れている中で火を使うのはかなり蒸したが、廉佳のことを思えば何ともない。
早速二人で手を合わせておかずから手を付ける。
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