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第124話

「でもさ、前から思ってたんだけど、千世と泰志が二人でしてると恋人が寝取られた気分になるんだよな。三人の時はそうでもないのに」 「まあ……確かに」  とても昼食を食べながらする話とは思えないが、これまで経験してきた淫事に比べればまだぬるい。 「あいつにも困ったな。俺にも彼氏としてのプライドはあるのに、泰志が美味しいとこ持ってくんだもんな」 「ご、ごめん……」  いつも成り行きで泰志に抱かれてしまうのだが、廉佳の胸の内も複雑だろう。廉佳の恋人なのに愛人にも身体を開いてしまう自分にも非があるのは認めるが、泰志は愛人である前に弟だ。  廉佳は好きだし泰志も好き。そんなあやふやな気持ちのまま今に至るから、廉佳が千世の身を案じるのも当然だ。 「千世が謝ることはない。俺も泰志とは幼馴染みとして上手くやっていきたいしな。でも恋愛ごととなると、いくらあいつでも譲れない」 「じゃあ……泰志と僕、普通の兄弟に戻った方が良いのかな?」 「お前は泰志も好きなんだろ、家族として。泰志はお前のこと本気で好いてるけど、二人の間にそういう愛があるなら俺は今のままで良いと思うよ」 「――廉佳さんて、すごく大人だね。でも我慢とかしてない?」  口では『良い』と言ってくれていても本心は違うかもしれない。泰志が千世達の間に入ることで廉佳に無理はさせたくない。 「我慢はしてないよ。泰志が触るくらいなら構わない。でも俺はそれ以上にお前に触れていたいんだ」

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