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第128話
高河は歯を見せて二カッと笑うと、千世の肩に乗ったままの廉佳の腕を見て言った。
「二人って本当に仲良いんだな。幼馴染みとは聞いてたけど、女子からすれば眼福ものだな」
「それどういうこと?」
「ははっ、何でもねーよ。あとこれ、今日のお礼な。さっき買ってきたやつだけど」
高河は持っていたレジ袋を千世に手渡す。その中にはアイスキャンディーが二本入っていた。
「わぁ、ありがとう。貰っちゃって良いの?」
「お礼だって言ったろ。先輩もどうぞ」
「悪いな。ありがたくいただくわ」
「じゃあ俺はこれで。お疲れー!」
高河はこの後にも何かあるのか、慌ただしく走って行ってしまった。千世は友人に手を振りながら貰ったアイスをどうしようか思案する。溶けるといけないので今すぐ食べてもいいのだが、廉佳の用事とやらが急ぎの件だったらそちらを優先させたい。
「じゃあ千世、校舎に入るか」
「あれ、用事って学校のこと?」
「まあそんなとこ。ついでに中でアイスも食うか」
「うん……あっ、ちょ、待って!」
解散して散 り散 りになった生徒達の間を逆走し、廉佳はすいすいと進んでいく。すれ違う人にアイスが入った袋を引っかけないようにしながら千世はその後を追った。
本部棟を兼ねている一号館を通り抜け、やって来たのは一番東側にある八号館だった。
「す、すごい……何か雰囲気が違うね」
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