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第139話 ※

 熱に浮かされた頭では何を口走ってしまうのか分からなくて怖かったが、身体が感じていることを素直に声に乗せてしまう。  下半身の敏感なところを一遍に責められて、とうとう膝がかくんと折れてしまった。 「おっと、大丈夫か?」  そこへすかさず廉佳の腕が入ってきて腰を抱きかかえてくれる。千世は頬を壁に押し付けて荒い呼吸を繰り返した。 「だい、じょぶ…じゃないぃ……」 「ははっ、ふにゃふにゃだな」 「()って……」  気持ちが良すぎて耐えられない。そこまでは口に出さずとも廉佳が汲み取ってくれる。 「千世がそうやって可愛いから、俺も歯止めが利かなくなる」 「あっ、あぁあ…んぁあ」  再び廉佳が動き出し、足の付け根から背筋にかけてぞくぞくとしたものが駆け抜ける。彼は千世の腰を支えているのとは逆の手で胸の先を捉え、指先で戯れてきた。  もう力が入らない身体をそこまで嬲られてはすぐに二回目の絶頂も見えてくる。 「あぅう、ぅんんー…ん、やぁ…ァあ」  自身から滴る透明な液体が床まで垂れてしまった。そんなものに気を取られている余裕がないほど、千世は快楽の中へ墜ちている。

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