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第197話

「良いな。そこにするか」  そのレストランはここから若干離れた所にあるが、歩いているうちにお腹も空いてくるだろう。  早速向かうことにしたのだが、長身の二人に挟まれた千世はまるでボディガードに守られているみたいだ。心なしか通りかかる人たちの視線が集まっている気がする。 (いやこれは、背が低い僕が目立つんじゃなくて、二人が格好良いからみんなに見られてるんだよね……?)  高校生にしては大人びた色気を持つ泰志と、文学部の王子様と呼ばれる廉佳が、ぱっとしない千世の両脇にいるせいで引き立っている。自分にはもったいないくらいの素質を持った二人が恋人と愛人だなんて、遊園地の中にいる人は誰も思わないだろう。 「着いた! ここじゃない?」  歩くこと十数分。地図を見ながらだったので本来かかる時間よりも長かったが、目的のレストランに辿り着く。  外国の宮殿にでもありそうな大きな噴水が見渡せるところにそれはあった。まだお昼の時間には少し早いため店内も混み合っていない。

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