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第200話

 周りから変な人たちだと思われたらどうしよう。そんな不安がちらつくが、二人はきっと気にしていない。だって、この遊園地に知り合いは一人もいないのだから。  差し出されたコップのストローに口を付けるが、気恥ずかしさから睨むような上目遣いで泰志を見上げた。 「もうさ、そういう仕草の一つ一つが可愛いんだよね。廉にぃもそう思うでしょ?」 「当たり前だ。俺の自慢の恋人だからな」 「ちょ、ちょっと、あまりこういう所では……」  男三人でくっついているだけでも周りから怪しまれかねないのに、そんな風に言ったら明らかにばれてしまう。 「そうやって困ってる千世も可愛いって言ったら怒るか?」  というより怒れない。  そんな表情で微笑みかけられたら誰だって怒りを忘れて見惚れてしまう。  廉佳の顔を直視できなくて、泰志が手に持つドリンクを忙しなく飲む振りをした。 「千世にぃ飲み過ぎじゃない?」 「あ、ごめん。僕のも飲んでいいよ」 「いや、大丈夫」  泰志はそのドリンクを一口飲むと、にんまりとした笑顔で告げてくる。 「これで間接キスだね」 「なっ、え…でも、家でいつもやってるじゃない」 「外に出てすると特別な感じがしない?」

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