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第213話

 そんな中、好奇心が旺盛な泰志が思わぬ一言を放った。 「ねえ、あの漫画と同じプレイしてみない?」 「あれをか? 千世が耐えられるかな……」 「千世にぃなら大丈夫だと思うよ。きっと、すぐに気持ち良くなってくれるから」 「あの、二人とも!? 一体何を」  こちらに背を向けてひそひそと怪しげな会話をする廉佳と泰志を見るからに穏やかではなさそうだ。 「ちょっと、千世にやってほしいことがあるんだ」  振り向いた廉佳がベッドの下から封筒を取り出す。それには見覚えがあった。彼が漫画の原稿を入れているものだったから。 「これと同じシチュエーションで……その、ヤれないか?」  中から出てきたのは廉佳の応募作のコピー。それを見た千世は首元まで朱色に染めた。初めてそれを読んだ日の、濃厚な描写の記憶がまざまざと浮かんでくる。 「でもそれって……」  義兄弟の、『兄』が『受け』の話。腕を縛られ、無抵抗の状態で『弟』の愛をその身体に刻まれていた。それだけでなく、『兄』は『弟』に淫らな言葉で責められるのだ。『弟』に愛されるが故の、甘くて恥辱的な言葉に。

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