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第228話 ※
その手に導かれるように後ろを向かされると、口を塞がれて千世の喘ぎは泰志の口の中へ吸い込まれていった。舌を甘噛みされ、背筋がぶるりとおののく。
唇をこじ開け、舌を誘い出されては吸い上げられて、そこから痺れるような感覚がやって来た。
「んん、ぅ、ん…ぁ、む……」
(気持ち、いい……泰志とのキス……)
「ん、ふ……ぁ…、ァあ」
「可愛いね、千世にぃ」
口付けが途切れ、泰志は千世の腰を掴みなおす。
その先は、ほんの一瞬の出来事だった。瞼の裏で光が弾けた、と自覚した時にはもう白濁が散っていて。
「入れただけでイっちゃったね」
「――っ、ぁ……」
引き裂かれそうな痛みの中、泰志の熱を後孔の深いところで感じる。激しく脈打つそれが堪らない疼きをもたらして、頭を沸騰させた。
「どうだ? 二人に犯されてる気分は」
「ぃ、たい…けど……ぁ、きもち、い…」
「それは良かった」
「千世にぃは俺たちのものだからね」
「ああ、俺たち二人以外には絶対手を出させない。こんな可愛い恋人、世界のどこを探してもいないからな」
腰や胸を撫でられながら囁かれて、千世は愉悦の波に溺れた。
自分は二人の恋人で、二人のものなのだ。身体の奥で存在を主張する熱が、それを千世に教え込んでいる。
「ん…僕、どこにも行かないよ。ずっと二人の側にいる、から……ずっと三人でいようね」
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