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第229話 ※

遊園地にいた時、三人で居られることが泡沫の幸せのように感じられたが、もうそんな不安は抱えなくていい。今は、二人と恋人になれた今は、この幸せが続いていくのだと信じられるから。 「ああ、俺たちはずっと一緒だ」 「て言うか、千世にぃが俺たちから離れようとしても逃がさないからね」 「そうだな。絶対に手放さないから覚悟しよけよ」 「うん……二人にだったら、何されてもいい」  むしろ、もし万が一千世が二人から離れそうになった時は、しっかりとその手を繋いでいてほしい。そんな気持ちで言ったのだが、どうやら誤解を招いてしまったようで。 「言ったな?」 「ほんとに俺たち、千世にぃのこと好きにしちゃうよ」 「ん……ぁあ、あ」  千世の腰を掴む泰志が最奥を穿つ。そういう意味で言ったのではないのに、と首を振るが、何の言葉も発せなかったせいで二人には上手く千世の意思を伝えられなかったらしい。 「好きだよ、千世にぃ」 「ん、んっ…ぅ」  首の後ろに噛みついてくる泰志を見て、廉佳も肩先に歯を立ててきた。  ちりちりと鋭い痛みが肌を刺す。 「千世にぃ、髪切らない方がいいかもね」 「そうだな。痕付けられなくなるし」  首元でたゆたう髪の毛に泰志の指が絡まる。そのまま掻き上げられて隠すものがなくなったうなじを、ちゅぅっ、と音が立つほど強く吸われた。

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