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第230話 ※
自分が美容院嫌いなのが幸か不幸か、肩口まで伸びた髪のおかげで周りからは鬱血の痕が見えにくくなる。
何度も吸い上げられた後、ようやく泰志が口を離してくれたが、そこにはきっと紅い徴が咲いている。
「千世……」
「あ、やっ…ぅ」
「千世にぃ」
律動を始めた廉佳を追って泰志も本格的に腰を遣ってくる。二本の凶器を突き付けられた後孔は、それで隙間なく埋め尽くされていて、同時に動かれると引き攣るような痛みに襲われる。
だが、それを軽く凌駕してしまう快感に千世はすぐに堕ちてしまった。
「あ、ぁん…あぁぁあ、あ……い、っ」
「気持ちいいか?」
「い、ぃ…きもち、いい……んぅ、あ…は」
「俺たち今一つになってるんだよ。嬉しいね」
「んっ、ァあ……うれし、ぃ……ぁく…ぅ、あぁ、あ」
彼らが何を言っているのか、自分が何を口走っているのか分からないまま、快楽に身を任せてうわ言のように二人の言葉を繰り返した。
底知れない沼に溺れるような快感に浸りながら、千世は下から強く突き上げられる。
「ぁ、ぁぅあぁぁ…、からだ…と、溶けそぅ……」
「うん、千世にぃの中、すごく熱い……っ」
「一緒にイこうな、千世」
「あッ、あぁぁ…そこ、だめッ」
泰志にぐりっと抉られる一方、廉佳は先走りで濡れそぼつ自身を扱き始める。
身体が焼け落ちそうに熱い。このまま混ざり合ってしまいそうだ。
前と後ろを愛されて、すぐそこに絶頂が見えてくる。
「やぁぁ、あ…、も、イく――んぁあアぁああ!」
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