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危険な香り 1

『今週は会いに行けないんだ。ごめんね。』 舜からのメッセージにため息をついていると、また着信音がなった。 『でもね、来週は土日に休みがもらえたよ♪いちゃいちゃしよ♪』 『嬉しいよ。』 にっこり顔動物のスタンプが送られてきた。 (舜、かわいい。) (ヤバい、来週、僕、どうなっちゃうんだろう。) 先週末、僕が起きるともう舜は仕事にでていた。 結局、僕は最後まですることなく、気絶するかのように深い眠りに落ちていた。 あんな激しいのは仕事上がりの僕には体力がついていかなくて、土曜はだるくてたまらない。 たったの2歳差なのに、こんなに体力って違うものかな。 朝起きると朝ごはんと、 【おはよう。よかったら、合鍵もらって♪】 というメモと某熊のキーホルダーのついた鍵が置いてあった。 僕は嬉しくて、きゅんとした。 僕も、舜にあげたいな。 その足で、合鍵を作りに行って、舜の部屋に置きに戻った。 金曜は気がつかなかったけど、改めて合鍵を持っていくと、部屋は舜の匂いでいっぱいだった。 そんなことに気づいて、一人でドキドキしてしまった。 (相当、舜の事好きだなぁ。) 部屋は広くて、きれいで舜って見た目よりしっかりしていることに気づく。 ちゃんとご飯も作ってくれて、シーツもきれいな物に取り替えられていた。 (どうやってシーツ変えたんだろ?) (舜って、甘える感じだと思ってたけど、実は俺様だよなぁ。) そんなことを思うとつい金曜の夜を思い出してしまう。 回想を終えて、仕事に集中する。 今週は会えないのかと思うと、突然、時間が経つのが遅くなった。 まだ、出社して1時間しか経ってない。 夜に舜に合えない金曜なんて出会ってから初めてだ。 気もそぞろなまま、仕事をこなすのだった。 家に帰ると、舜に会いたい気持ちで押し潰されそうだった。 (少しだけでもいいから、会いたいなぁ。) 鞄を放り投げると、シャワーを浴びに向かった。 頭からシャワーを浴びながらも、考えるのは舜のことばかり。 自分の執着に驚く。 (会いに行ったら、迷惑かなぁ。) (仕事だって言ってたしなぁ。) (僕だって、仕事の前日に舜に会うとひきづって仕事にならないかも。) シャワーから、あがるとビールを飲みながら、久しぶりに金曜のテレビ番組を見る。 (久しぶりに見るな。毎週見てたのにな。) 「会いたいなぁ。」 言葉に出すと、胸が苦しくて、泣きたくなった。 服を着ると、ショルダーバッグに財布とスマホと鍵を突っ込んで、部屋をとびだした。 電車に揺られながら、葛藤があったけど、 (一目だけ、キスだけしたら、帰る。) と、自分に言い聞かせて舜の家に向かった。 舜の家は真っ暗で、まだ帰ってきていないのがわかると、罪悪感が押し寄せてきた。 (やっぱり帰ろうかなぁ。) 家の中に入って、電気をつけると部屋が雑然としていた。 食器は水に浸けっぱなし、ジーンズもソファーにかかったままになっている。 寝室の引き戸も中途半端に開いていて、シーツが乱れてる。 (舜、忙しいんだ。) (少しだけ片付けてから帰ろうかな。) 食器を洗って、テーブルを拭いた。 ジーンズは、洗濯していいのかもわからず、とりあえず畳むと、舜の匂いがした。 (舜…。) 寝室に向かって、シーツを伸ばして整えると、ベッドに突っ伏した。 枕に顔を押し付けると舜の匂いでいっぱいになった。 (あっ、しまった。) 自分の下半身が膨らんだ事に、羞恥心が押し寄せる。 (少しだけ、いいかな。) ズボンを少しだけずらして、それを擦る。 「…はぁ、はぁ。しゅん…。」 鼻孔をくすぐる舜の匂いに夢中になって、擦ると、どんどんぬるぬるしてきた。 「気持ちいい…。」 「えっちだね。」 声のする方を見るとにこにこしながら、寝室の引戸に寄りかかって、舜が見ていた。 「舜!ご、ごめん、あの、違うっていうか、あの。」 僕がどぎまぎしていると、舜はそっと歩いてきて、ベッドサイドに座ると、僕の頬に触れて、髪の間に指を滑り込ませた。 くすりと笑うと 「続けて。」 と、耳元で囁かれた。 「舜、そんなことできないよ。」 「僕、疲れてるから手伝えない。ごめんね、明さん。でも、見たいな。明さんがするところ。」 僕のぬるぬるの手にそっと手を重ねて、僕の手を上下させてくる。 「舜…。」 僕は恥ずかしくて、顔から火が出そうなのに、それよりも熱く、僕のそこはいきり立っていた。 僕は観念して、自慰を続ける。 「ぁあっ、はぁ。」 僕の髪を指ですきながら、 「かわいい、明さん。」 と僕を見つめてくる。 「舜、キスしたい。」 「ダメ。最後までいけたら、ご褒美にしてあげる。」 僕は唇を噛んで、そこを激しく擦りあげた。 「ぁあっっ。はぁあっ。んぅんっ。」 「舜、イキそう。どうしよう、ティッシュちょうだい。」 「自分の口で受け止めたら?」 「そ、そんな。できないよ、そんなこと。」 「僕にかかっちゃうなぁ。」 「ぁあっ、イキそう。」 もうひとつの手で先を押さえて、飛び出さないようにして果てた。 「はぁっ。はぁっ。」 「あーあ。手が汚れちゃったね。」 その手を表に返すと、舜が舐めとった。 「ぁあっ、舜、そんな汚いよ。」 「もったいないでしょ?」 指の間まで舐められてぞくぞくする。 「じゃあ、ご褒美ね。」 僕の精液まみれの口で舜が唇を重ねてくる。 舌を無理やり入れられて、何とも言えない味が広がる。 舜はしつこく舌を絡めてくる。 僕の頭の芯が麻痺してくる。 (僕、何してるの…。) 「シャワー、浴びておいで。」 舜に脇を抱えられ、ふらっと立ち上がるとシャワーを浴びに向かった。 シャワーからでると、舜は買ってきたお弁当を食べながら、テレビを見ていた。 僕が来たのに気づくと 「明さん、来てくれたんだね。ありがとう。」 と言って、手をひいて隣に座らせた。 「ちゃんと髪を拭かないと風邪引くよ♪」 と、頭を拭いてくれた。 「舜に会いたくて…。迷惑だった?」 後ろから、ぎゅっと抱き締められて、 「迷惑なわけないでしょ?嬉しいよ♪しかも、僕を思ってあんなことしてたなんて、ドキドキしたよ。」 「ひいた?」 「まさか。嬉しかったよ♪」 首にキスをして、そのまま唇に優しいキスをしてくれた。 「ごめんね。明さんに寂しい思いさせちゃって。」 「ううん。仕方ないよ。」 「来週はたっぷり愛し合おうね♪」 僕はまた顔が熱くなって、下を向く。 舜はその日、シャワーを浴びると、ストンと眠りに落ちた。

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