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朝、おしりがむずむずする感覚で目が覚めた。
「わあっ!」
ばっと飛び起きた僕を見て、舜がくすくす笑っている。
「おはよ♪」
指の先に白いクリームがついているのを見せて、
「薬、塗ってあげるから、おしり見せて♪寝てる間に塗ってあげようと思ったけど、起きちゃったね♪」
「いやっ!恥ずかしいから、いい!自分でする!」
布団に潜ると、ごそごそと後ろに入ってきた。
「すぐ終わるから。」
「ひゃっ!」
冷たいクリームがぬるぬると塗られる。
僕が諦めてじっとしていると、ぬぷ、
と指が滑り込んできた。
「ちょっと、舜!」
「中まで塗っとかないとあとあと痛くて悶えるよ?」
「でも~…。」
ぞわぞわする感覚を必死に耐えると、舜がひょこっと隣に顔を出した。
「終わったよ♪今度は僕に塗ってもらえない?」
「え?」
「お願い♪」
と、言って薬を差し出された。
舜は布団をばっとのけると、恥ずかしげもなくおしりをつきだしてきた。
僕はドキドキしながら、薬を塗りつけた。
「舜、ここ、すごく赤い。」
「うん、そこ痛い。昨日、ならす前に入れたから切れちゃった。」
「大丈夫?」
「大丈夫♪気持ち良かったもん♪だから、丁寧に塗ってね。ちゃんと中もだよ?」
「わかった。」
僕は恐る恐る指を差し込んで、薬を中にも塗る。
「ぁあっ、気持ちいい。」
「ちょっと、舜、薬だからそういう声だしちゃダメ。」
くすくす笑う舜につられて、僕も笑った。
僕の家に帰ると、いつもみたいに、だらだらと飲み始めた。
僕らは寄りかかり合いながら座って、いちゃいちゃした。
つまみを摘まむと、僕の手首を掴んで、舜が口に運ぶ。
舜はわざと僕の指を舐めた。
「舜、僕はいつになったら、つまみを食べれるの?」
「はい。どうぞ。」
舜がつまみを摘まんで、僕の口に運ぶ。
僕があーんとすると、指まで突っ込んできた。
「指が汚れたから、舐めて。」
僕は舜の顔を見ながら、指を舐めて見せる。
舜は満足そうに僕を見つめている。
「明さんのえっちぃ。」
「舜がさせたんでしょ?」
「嫌なら、拒否してもいいんだよ?」
「するわけないでしょ。舜のこと、こんなに好きなのに。」
自分で言って顔が熱くなるのを感じる。
舜がキスをくれる。
「僕だって、明さんのこと、大好きだよ。」
「幸せ。」
「僕ね、こんなに好きになるの初めて。あんなに自分を見失うとは思わなかった。」
「昨日は激しかったね?」
「手首、ごめんね。跡がついちゃった。」
手首に頬を擦り付けながら、謝られる。
「いいよ。長袖のカッターだから、見えないし。」
「僕、初めて挿れたいと思ったんだ。今まで挿れたいなんて思ったことなかったのに。」
「舜の初めてもらっちゃった♪」
くすくす笑う舜が、膝に倒れこんできた。
「好きぃ。」
腰に腕を回してきた。
(かわいい。)
舜のさらさらの髪をすく。
「俺も好きだよ。」
僕らはどんどん溺れていった。
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