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心は雨模様

夕飯も結局、喉を通らなかった。 心配したアツが、雅枝さんに頼んでくれて。 そっと、お握りを持たせてくれた。 その後、案内して貰った客間には、すでに布団が敷かれてあって、思わず飛び込んだ。 ふわふわしてて、気持ちいい‼ ちゃんとした布団で寝るの、何日振りだろう⁉ 気に食わないと、いっつも、外に出されて。玄関の戸に寄り掛かって寝たり、駐車場のコンクリートの上にそのままゴロンと横になって丸くなって寝たこともある。 一週間ぶり・・・かな⁉ 体のあちこちが痛いし、痒いで、夜も明けきれないうちに目が覚めたら、寺田さんと目が合って・・・びっくりする間もなく、そのまま、アツのうちに連れてきて貰って以来。 ゴロゴロしながら背伸びをしていると、寝間着姿の佳大さんが入ってきた。 「何で・・・」 思わず飛び起きた。 「そんなに驚く事でもあるまい。寝るぞ」 佳大さんは、僕の所に来ると、上掛けを捲り、そのまま横になった。 「おいで、未央。今日は、何もしないから・・・」 「今日はって・・・」 「婚約を正式に発表するまでは・・・だよ。そんな、怖い顔で睨むな。本当だ、約束する」 佳大さんは、穏やかな笑みを浮かべていた。 「ほんとに、ほんとに信じて、大丈夫⁉」 「あぁ。嘘はつかない。朝から色々あって疲れただろう」 びくびくしながら、佳大さんの顔色を伺いながら、布団に入って、隅っこの方に体を寄せて、体を小さく丸めた。 どのくらい時間が経過しただろう。 なかなか寝れずにいた。 瞼は今にもくっつきそうなのに・・・。 さっきから、チュッチュッと、首筋に何度も唇を押しつけてくる佳大さん。 さっきのは、やっぱり嘘だったの⁉ 「やだ、佳大さん‼何もしないって、言ったでしょう‼」 「未央の体に触れたら、抑えがきかなくなった」 気が付けば、羽交い締めされ身動きが取れなくなっていた。 彼の指は、僕の小さな陰茎をなぞり、 「オレの手にすっぽり入る、丁度いい大きさ」 更に下へと下りていく。 「やだ、そこ‼」 「陰嚢がなくて、これが、女の子の・・・だよね」 縁を指でなぞられ、嫌悪感からか、身震いが止まらない。 「やだ、触んないで‼」 「意外と小さいね。でも、綺麗なピンク色をしてて、花びらのようだ」 ぷにゅっと、彼の人指し指が中に侵入してきて、そのままぐにゅぐにゅと掻き回されて。 全身ゾッとした。 「指、抜いて・・・」 嫌だ、嫌だ‼ アツ以外の人に触られるのは嫌‼ ぶんぶん頭を横に振ると、 「未央、可愛すぎ」 彼の口唇が、強引に僕の唇を塞いだ。 初めてのキスも、アツ以外の人に奪われるなんて・・・。 もう、嫌・・・。 なんで、こんな目に合わないといけないの⁉ 僕が、両方の性を持って産まれたからなの⁉ 悔しくて、涙が溢れてきた。 「この奥あるのが処女膜だよ未央・・・最初に破るのは夫であるオレ。アツに破らせたら、承知しない。分かるね⁉」 低い声で脅しながら、彼の指が、ゆっくりと女の子の場所から離れていく。 涙に飲み込まれながら、何度も何度も頷いた。

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