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愛する彼の声を聞かせて

「今、答えないとだめ?」 「当たり前だろ?」 佳大さん、そんなに僕を見ないで。 心まで、見透かされているようで何か嫌だ。 「・・・まだ、ゼロか?」 いつも横暴で、俺様な彼。 なんでこういう時だけ、そんな寂しそうな顔をするの? 素直に頷けば、ガッカリするかな。 昔から、アツ一筋だって、彼、分かっているだろうし、今更、ヘコまないか。 でも、僕がこうして、何不自由なく暮らすことが出来るのは、彼のお陰。 と、いうか、勝手にここに連れてきて、勝手に新婚生活始めたの彼だし。 僕の意思は全く無視で。 「・・・一パーセント・・・かな?」 考えた末、そう答えた。 さぞや肩を落としているだろう。 そう思って、彼を見上げると、 「嬉しいな、あと、十九か」 メチャメチャ喜んでいた。 「奏人が産まれるまで、二十パーセントにしてみせるよ。そして、俺の子供を産んで貰う」 「よ、佳大さん‼」 良かれと思って言ったことが、逆に、彼の情欲に火を付けてしまった。 彼の手が、背中に入ってきて、肌の感触を確かめるように滑らせると、そのまま、シャツをたくしあげた。露になったのは、僕のまっ平らな胸。 佳大さんは、身体を器用に屈め、小さな突起を舌先でべろっと舐めた。 その瞬間、背中にぞくぞくと悪寒が走った。 「嫌‼そんな事するなら、ゼロに戻すよ」 「ゼロには戻させない。未央も分かっているはずだよ。もう、俺なしでは生きていけないって。未央がどんなに嫌がっても、ほら・・・ここ、少し舐めただけで、ツンと勃って・・・もっとって、おねだりしているぞ」 「違う‼」 シャツを元に戻そうとしたけど、その前に、佳大さんの口唇が、突起にしゃぶりついてきて、舌先でベロベロと舐め出した。 「佳大さんの嘘つき‼何もしないって言ったのに‼」 「可愛いことを言って、煽った未央が悪い」 「そんな・・・嫌・・・嫌・・・」 首を何度も振ったけど、それで許してくれる彼ではない。

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