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愛する彼の声を聞かせて

佳大さんの端正な顔が、まっ平らな胸に埋もれてる。 それだけでも嫌なのに。 「・・・や、や・・・ぁ」 片方の乳輪を、彼の大きな掌が包み、やわやわと揉みしごく。 小さな突起に爪を立て、弾かれ、 「痛っーーーー‼」 思わず声を上げ、背中を仰け反らせると、あやすように、今度は、指の腹でこりこりと優しく揉まれた。 「未央の胸、少し、大きくなったか?」 チロチロと紅く熟れた小さな実を美味しそうに舐め続けていた佳大さんが、急に口を離し、そんな事を言い出した。 「知らない」 「知らない訳ないだろ?こっちも、少し、大きくなってるし、それに・・・すごく甘くて、美味しい」 「いちいち言わないで!恥ずかしいから」 「何を今更・・・」 佳大さん、クスクスと笑うと、今度は逆の方を舐め出した。 突起を甘噛みし、少し強めに吸われて、 「ひぁん‼」 一際、甲高い声が漏れて、慌てて口を押さえた。 今度こそ、雅枝さんに聞こえたかも・・・。 どうしよう・・・。 恥ずかしくて、顔、合わせられないよ‼ ちょうど、その時だった。 タイミングを見計らったかのように、コンコンと、遠慮がちにノックする音が聞こえてきたのは・・・。 佳大さん、慌てて僕から体を離してくれて、服を直してくれた。 「佳大様、未央ちゃん、ご飯にしましょうか?」 ドアが開いて、雅枝さんが顔を出した。 「佳大様、夫婦仲が宜しいのは大変喜ばしい事ですが、未央ちゃん、あまり体調が良くないんですよ。安定期まで、無理をさせず、どうか大事にしてあげてください」 「雅枝さんがそう言うなら・・・」 佳大さん、何故か、雅枝さんの言うことは素直に聞く。 「未央、ご飯食べようか?」 僕の手を引いて、台所に連れて行ってくれた。 恥ずかしくて、俯いていた。 雅枝さんの顔、まともに見ることが出来なかった。 「食べれるもの、少しだけでも食べないと」 「そうですよ、お味噌汁だけでも」 二人に言われ、野菜がゴロゴロ入った具沢山の味噌汁を何回かに分けて、少しずつ食べた。 福島で食べたザクザクになんか似てる。薄味でダシが効いていて・・・すごく、懐かしい味。 美味しい、これ‼

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