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愛する彼の声を聞かせて
「未央ちゃんには、暗い顔よりも、笑っている顔の方がよく似合います。お腹の中の奏人様も、ママの笑顔が見たいはずですよ」
「ありがとう、雅枝さん」
ようやく顔を上げることが出来た。
「お代わりするか?」
「うん!佳大さんは?」
「じゃあ、俺もしようかな」
二人して同時にお碗を差し出すと、雅枝さん、笑っていた。
「佳大様は、未央ちゃんの前では子供ですね」
「何、それ?」
「どうにかして、未央ちゃんに甘えようと躍起になるところがですよ」
「そうかな?」
「えぇ」
佳大さん、いつになく機嫌が良さそう。
雅枝さんと話しをしているその表情はニコニコしている。
食事が終わり、椅子から立ち上がろうとしたら、急に目眩がして。
体が前後左右に揺れ、椅子ごと後ろにひっくり返るんじゃないか、そう思った。
「未央‼」
佳大さんの逞しい腕が、体をしっかりと支えてくれて、事なきを得た。
「横になっていた方がいい」
佳大さんは、僕を横に抱っこすると、寝室に運んでくれた。
「少し、待ってろ」
そう言うと、部屋から一旦居なくなって、すぐに、濡れたタオルを手に戻ってきた。
「体を拭いてやるよ」
「いい、自分でするから」
「遠慮するな」
「遠慮してない」
首を振ったけど、佳大さんは、シャツを捲ると、まっ平らな胸を拭き始めた。
「冷たすぎるか?」
「ううん、大丈夫」
「そっか。じゃあ、首も、背中も拭かないとな」
彼の手が徐々に下へと下りていく。
「佳大さん、本当に、そこはいいから‼」
「何で?今更、恥ずかしがることないだろ?」
「だめ‼」
スボンを下げられそうになり、慌てて、手で押さえた。
「未央‼」
佳大さん、楽しみにしていた事を取り上げられて、かなり苛ついてる。
「雅枝さん言ってたでしょう。無理させないようにって」
「無理はさせてない。ただ、拭きたいだけだ」
ただの駄々っ子なのか、意地っ張りなのか。
佳大さん、スボンの中に、タオルを突っ込んできた。
「よ、佳大さん‼」
身体を捩らせ、逃げようとしたけど。
彼が、しつこいのは今に始まった訳ではない。
「嫌だ、そこ、触らないで!」
小さな陰茎を丁寧に拭いて、会陰部の筋に沿って下へと這わせて、今度は、女の子の小さな割れ目を、縁を撫でるように優しく拭いてくれた。
「もういいから」
「だめ」
「なんで?」
目に涙を溜めて、彼を見上げると、口付けが頬っぺたに下りてきた。
「したいからに決まってるだろ?今すぐ、挿れたい」
「なんでそうなるの。嫌だ‼」
ぶんぶんと首を振ったけど、許してくれる訳はなく。さっきの続きをしよう、と言い出した。
「具合が悪くなる前にさっさと終わらせるから」
後ずさりして、逃げようとしたけど、狭いベットの上。すぐに捕まって、下着ごとスボンを剥ぎ取られた。
「カギを掛けたから、今度こそ、邪魔は入らない」
ポケットから、小さな小瓶を取り出すと、それを手に取り、恐怖でブルブル震える、僕の脚を大きく広げさせると、女の子の小さな割れ目にまんべんなく塗り始めた。
「佳大さん・・・嫌だ・・・」
「奏人に教えてあげないと。パパはアツだけど、ママを一番愛しているのは、もう一人のパパだって」
前だけくつろげると、彼の雄が勢いよく顔を出した。先走りの液が、赤黒い筋が何本も浮き上がっている茎を濡らしていた。
腰をぐいっと、僕の下腹部に押し進めると、それを、女の子の割れ目にあてがい、一気に挿入してきた。
「ひゃあぁーーーー‼痛っ‼」
体がバラバラになりそうな激痛が、身体を駆け抜けていった。
「動いちゃ・・・いや・・・痛っ・・・」
本当に僕の事が好きなの?
大事に思ってくれてる?
大切にしようと考えてる?
ねぇ、佳大さん・・・教えて。
どうしたら、こんな酷いことが出来るの?
愛情を共わない痛いだけの交わりは、苦痛でしかなくて。
彼が動く度、ギシキシと軋むベットの上で、枕を抱き締め、泣き続けた。
神様、愛する彼の声をどうか聞かせてくださいーー。
僕の心が壊れる前に、ほんの数秒。
ほんの一瞬でいいから。
愛するアツの声を聞かせて・・・。
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