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大好きな彼と繋がる幸せ ~家族団欒~

「あなた、未央から逃げて歩いてないで、ここに座って」 お母さんが、僕の前に置いてある座布団の上をポンポンと叩いた。 「もぅ、仕方ないなぁ」 「仕方ないじゃありません。一日中、あなたに避けられて、未央、あなたの事、嫌いになりますよ」 「いゃあ、それだけは・・・困る」 シュンと項垂れて、ちょこんと座布団に座るお父さん。 その姿は、佳大さんと、アツとソックリで・・・。 流石、親子。 ということは、僕も将来、お母さんみたくなるのかな。 いや、出来たらそれだけは避けたいかな。 「未央、言いたいことがあるんでしょ」 お母さんに言われ、座り直して、背筋をピンと伸ばした。 「こんな僕に、何から何まで・・・本当にありがとうございます。あと、沢山のベビー用品を奏人の為に揃えていただいてありがとうございます。すごく嬉しかったです」 頭を下げられる所まで下げた。 「いいんだ、未央・・・そ、その・・・」 お父さん、なぜかモジモジしていた。 顔を上げると、目で何かを必死に訴えってきた。 あっ‼ そっかぁ‼ 思い当たるのは、一つしかない。 肝心なのが、抜けていた。 「・・・お父さん・・・」 途端にお父さんの表情がぱぁっと明るくなった。 なんか、すごくかわいい・・・。 「もう一回頼んでいいか?」 「はい‼お父さん」 催促されもう一回呼ぶと、デレデレの笑顔になった。 「いゃあ、未央にそう呼んで貰えるなんて・・・父さんは果報者だ。むさ苦しい男所帯だけどな、これからも宜しくな」 「はい‼」 元気いっぱい返事すると、お父さん、よほど嬉しかったのか突然泣き出した。 お母さんが呆れながらそんなお父さんを、よしよしって宥めていた。 「今からこれじゃあなぁ・・・」 「奏人が産まれたら、毎日の様に泣くのかよ」 理人お兄さんと、頼人お兄さんも大きな溜め息を吐いていた。 隣に座り込んできたアツが、そっと手を握ってくれた。 「良かったな」 「うん‼」 「その・・・体・・・辛くないか?」 「・・・少し・・・でも大丈夫。ありがとう・・・ねぇ、アツ、これが家族団欒っていうものなの⁉僕んち、こういうのなかったから」 「あぁ、そうだよ。これから毎日、嫌っていうくらい賑やかになるよ」 アツの言葉にワクワクしてきた。

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