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ただいま‼

「未央様、お辛いでしょうが、大旦那様と奥様の前では、なるべく明るく振る舞って下さい」 「寺田さんありがとう」 「いいえ」 ヒーリーさんに片手を握ってもらい、すぅ~と一つ深呼吸をしてから車を下りた。 「未央ちゃん‼」 「お祖父ちゃん‼お祖母ちゃん‼」 「久しぶりねぇ、元気だった?」 「はい‼」 白衣姿のお祖父ちゃんと、スーツ姿のお祖母ちゃんが出迎えてくれた。 「忙しいのにわざわざすみません」 「いいのよ。気にしないで」 「お祖母ちゃん、お世話になります」 ペコリと頭を下げた。 「みんな待っているから家の中に入ろうね」 「みんなっ・・て!?」 「いいから、いいから」 お祖母ちゃんに急かされ、玄関を開けると、置場所がないくらい靴が並べてあった。 靴を脱いで、広間に向かうと、 「おかえりなさい」 ご近所さんが勢揃いしていて、吃驚した。 「鬼頭先生にひ孫が産まれる、こんなめでたいことはない」 「あぁ、そうだ‼」 男性陣は、お酒がだいぶ入っているようで、みんな赤ら顔だった。 「未央ちゃん、こっちこっち」 女性陣に手招きされ、真ん中にちょこんと座った。 「こんな田舎だけど、ゆっくりしていぐんだぞい」 「妊婦さんには、ほら、鉄分とカルシウムが必要だべ、いっぱいほうれん草と小松菜を持ってきたから、たんと食べて」 「は、はい・・・」 訛りがよく分からなくて、ちんぷんかんぷんになりながらも、みんな、僕を孫のようにに可愛がってくれる事が嬉しかった。 良かった・・・ここに帰ってきて・・・

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