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ただいま!!

翌日、佐々先生が書いてくれた紹介状を手に、お祖父ちゃんの知り合いの方が院長をしている、添島産婦人科を、お祖母ちゃんと、寺田さんに付き添ってもらい訪ねた。 ヒーリーさんは、フリースクールに通学しながら、日本語を猛勉強するみたい。いつか、家族で移住したいんだ、そんな夢を語ってくれた。 「添島さん、この子が、孫の未央です」 「鬼頭未央です。よろしくお願いします」 両性である僕を受け入れてくれるんだろうか。そんな、一抹の不安を抱えながら、診察室の中に入った。 「待っていたよ。初めまして、添島です」   にこやかな笑顔で出迎えてくれたのは、父と同い年ぐらいの若い男の先生。初めて会うのに一目見て、あれっ?どこかであったような気がした。 「さぁ、座って」 先生が椅子に手を伸ばした瞬間、ぶるぶると体が震え出した。急に体温が上昇し、汗が噴きだして、胸が締め付けられる様に苦しくなった。立ってもいられなくて、その場にへたり込んだ。 「未央ちゃん」 お祖母ちゃんと、看護師さんが、僕の体を支えながら起こしてくれて、なんとか椅子に座る事が出来た。 「実のお父さんの事は、鬼頭先生から聞いている。先生は、診察の為に、君の体に触れるだけ。嫌な事は一切しない。約束する。」 「・・・ほんとに?」 恐る恐る聞き返した。 「あぁ」 先生は、僕をこれ以上不安にさせない様、つとめて明るく振る舞ってくれた。 「あと、大事な事。先生は、興味本位で、君を受け入れた訳じゃない。先生のいとこが、君に世話になったから、その恩返しに、自分が担当医になりたいと、鬼頭先生に頼み込んだんだ」 えっ・・・? 全く心当たりの無い事をいわれ、吃驚した。 「まだ、分からない?ガーランド王国で、君の担当医だった・・・」 「乾先生!?嘘・・・ほんとに?」 声が震えた。 こんな偶然もあるんだと、ただ驚いた。 だから、先生に会ったとき、初対面にも関わらず、どこかで会ったような気がしたんだ。

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