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再び忍び寄る影

「次の健診って、2週間後だっけ!?」 「うん、そう」 「学校あるし、休めないしな・・・。奏人の顔見たかったな・・・」 「ごめんね、アツ」 「未央が謝る事じゃないよ。そうだ!天気もいいし、寺田が迎えに来るまで、散歩しよう」 「うん!」 診察を終え、アツと笑顔で手を繋ぎ、近くにある公園に向かった。 ジャングルジムや滑り台で小さい子供達が、黄色い歓声を上げ、遊んでいた。 「奏人も、すぐ大きくなって、あの子たちみたいに遊ぶようになるよ」 「うん、そうだね・・・」 「どうした!?浮かない顔して・・・ここまで歩いて来たから疲れた?」 アツ、近くにあるベンチまで連れて行ってくれた。 僕を座らせると、リュックサックから飲み物を出し、手に握らせてくれた。 「あのね・・・」 「だから何!?変だぞ」 アツも隣に腰を下してきた。 「うん・・・お祖母ちゃんとお祖父ちゃんがね心配してて・・・その・・・奏人ね、アツとの赤ちゃんなのに、このままだと、佳大さんとの子供になるんでしょう?」 「まぁ、それはそうだけど、そんなの、俺、気にしない。だって、間違いなく俺の子だし。元気出せよ、なぁ」 「うん、ありがとう」 ごろんと、アツの体に寄り掛かって、肩に顔を埋めると、そっと抱き締めてくれた。 フィチフィチフィチ・・・ ピージョルピーチョフチョフ・・・ 雲ひとつない青空に、鳥の囀ずる音がこだました。 「久し振りに聞いたかも・・・未央、ヒバリだよ」 「ヒバリ?」 「あぁ。最近、あまり見掛けない・・・今、調べるから待ってろ」 アツ、ポケットから携帯を取り出すと、画面を操作しはじめた。 ちょうど、その時だった。 ふと背後に視線を感じのは・・・。 それは、氷の様に冷めたく・・・恐ろしいほどの憎悪に満ち溢れていた。 慌てて後ろを振り返り、辺りをキョロキョロと見渡すも、すでに誰もいなかった。

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