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見えない父の影に怯える日・・・彼との再会
と同時に、バタンとドアが開いて、ヒーリーさんと寺田さんが飛び込んできた。
カーテンを開け、ガラッと窓を開けると、もうそこには誰もいなかった。
「ワタシ、オイカケマス」
ヒーリーさんが、ベランダから下にひょいと軽々と飛び降りた。
「アツ、ヒーリーさん・・・」
「大丈夫。彼の身体能力の高さは未央だって知っているだろう」
「うん、それはそうだけど・・・」
その時、冷たい夜風が吹き込んできて、肩がブルブルと震えた。
「鍵が壊されてますね・・・」
懐中電灯を灯しながら、周辺をくまなく確認する寺田さん。
「篤人様!」
彼が、急に声を荒げた。
「だって仕方ないだろう」
むすっとしながら、蚊の鳴くような声でボソッと呟くと、僕の服を整えてくれて、毛布を掛けてくれた。
「まぁ、お二人共、目のやり場に困る格好をしていなかっただけでも、よしとしましょうか」
寺田さんは、すぐに警察を呼んだ。
近くをパトロール中だったのか、五分と掛からず駆け付けて来てくれた。
「未央ちゃん、無理は禁物だから・・・」
騒ぎに気付いたお祖父ちゃんとお祖母ちゃんが、迎えにきてくれて、普段二人が使っている部屋に連れて行ってくれた。
「後の事は、寺田達に任せて、ゆっくり休め」
「そうよ」
「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、迷惑を掛けてごめんね」
「何言ってるのよ。水臭いわね」
布団を掛けてくれたお祖母ちゃんの手は微かに震えていた。
「未央ちゃんに何かあったらと思うと、気が気じゃなくてね・・・・無事でよかった」
「お祖母ちゃん・・・」
そっと涙を手で拭い、わざと明るく振る舞ってくれた。
「ありがとう・・・本当に、ありがとう・・・」
親身になって接してくれる二人の優しさが、身に染みてすごく嬉しかった。
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