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番外編《もう、ビックリ‼》
晩餐会が無事終わり、ホッと一息吐いていると、ヒーリーさんのお父さんが、奥様を伴って、わざわざ挨拶に来てくれた。佳大さんとそれほど年は変わらないのかも。すらっと背は高く、体の線も細くて、モデルさんのようにすっごく綺麗な人。でも、声は男性だった。
『第3夫人のラシャだ。こういう格好しているが、一応男だ』
『あら、やぁねぇ。一応男って、随分前の話しでしょう。いまは、ちゃんと女子してるわよ。それに、今は側室じゃないわよ、正室の、ラシャです。未央、よろしくね~』
「は、はい・・・」
通訳してくれてる二人も、どう僕に説明していいか戸惑っている様だった。
『このまま、うちにいらっしゃい。引っ越しはいつでもできるでしょう』
「で、でも・・・着替えとかオムツとか・・・」
『心配ないわ。一通り準備はしてあるから。ラクシュマン、さぁ~おいで・・・』
奏人、目を真ん丸くして、しばしの間、ラシャさんをじーと凝視してた。
抱っこされて、ギャン泣きするかと思ったら、あ~~う~~と、にこにこの笑顔で話し掛けていた。
『男だから、彼の子を産む事は出来ない。だから、未央が羨ましいわ。ほんと、可愛い~~‼』
ラシャさん黄色い歓声を上げていた。
お二人に押しきられ、家に帰らず真っ直ぐ向かうことに。
王宮から車で5分あまり。
各国の大使館が整然と並ぶ通りに、ヒーリーさんのおうちはあった。
王宮並みに高い塀に囲まれ、沢山の兵士さんが警備にあたっていた。
『ディネッシュ殿下の弟君の、佳大様と、奥さまの未央様と、篤人様と、ラクシュマン様ですね。警備担当のイラと申します』
「鬼頭佳大です。お世話になります」
『こちらこそ』
体格のいい大柄の男性が恭しく頭を下げてくれた。
『ラクシュマン様の警護という大役を仰せつかり、恐悦至極に存じます。未央様、どうぞよろしくお願いします』
「僕の方こそ、奏人共々、宜しくお願いします‼」
慌てて頭を下げた。
固く閉ざされていた門がゆっくりと開けられ、ライトアップされた広いお庭を眺めながら、車はドンドン奥に進んでいった。
そしてようやく辿り着いた新居は・・・。
一目見た瞬間、目が点になった。
アツや、佳大さんは、大きなおうちに住んでいたからか、驚く素振りは見せなかったけど、僕一人でびっくりしていた。
普通の家って聞いていたはずなのに、目の前にどんと現れたのは、お城みたいなレンガ造りの、とても大きなお屋敷。
玄関の扉は、歴史を感じさせる古い造りになっていた。
「これが・・・普通の家なの?」
しばし茫然となった。
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