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第55話 獣のように

 霧咲はそんな榛名を見てゴクリと生唾を飲み込み、今すぐ榛名のナカに突っ込んでメチャクチャに腰を叩きつけたい欲求をグッと我慢した。 「……まずは指で慣らしてからだよ、じゃないと辛いのは君だからね。便器に手を着いて四つん這いになってごらん」  榛名は羞恥心に顔を赤く染めながらも、言われた通りに便器に手を着いて尻をグッと霧咲に突きだした。そのくせ、「あんまり見ないで」などと言う。  本当は見てほしいくせに、とんだ嘘つきだ。しかし霧咲には榛名の気持ちはバレていた。 「見るな?見てほしいんだろ?ふふ、期待してるのがよく分かるよ……君の身体の一番いやらしい部分だ」 「あんっ……!」  つぷん、と霧咲の唾液で濡れた人指し指が入ってきた。そのまま根本まで挿れられて、グリグリとナカを刺激される。 「あ、あんっ、そこっ……」 「ここ、もう柔らかいね。君、酒を飲むとセックスを期待する身体になったの?」 「ぁ……!それも、貴方のせいっ……だ」  酒を呑むとセックスしたくなる、というのは否定しない。どうしても、霧咲と初めて出逢った夜のことを思い出してしまうから。 「……うん、俺のせいだね」 「あっ、ひぅっ!」  霧咲は嬉しそうにそう言いながら、榛名の前立腺をグニグニと刺激した。あまりの気持ちよさにイキそうになるが、挿入してもらってからイキたかったので榛名はグッと我慢した。指が二本、三本と増やされていき、圧迫感で苦しい。酒のせいで熱くなった身体は簡単に指の侵入を受け入れて、そろそろ霧咲自身が欲しくて限界だった。 「おねがい、もう……もう、挿れてぇっ!」  榛名は叫ぶように懇願した。霧咲は珍しく素直に榛名のいうことを聞いて指を引き抜き、「このままこの体勢で挿入されるのと、俺の上に乗るの、どっちがいい?」 と、耳元で妖しげに囁いた。 「あっ、このまま、このまま挿れてっ……!」 「つまりバックで、動物みたいに犯されたいんだね?」 「ん、はやく……!」 「そう急かさないで、今からたっぷりシてあげるから……」  霧咲はもどかしい手つきでベルトを外し、痛いくらいに勃起していた自分自身を解放した。それは酒を呑んでいるにも関わらず勢いよく下着の中から顔を出し、既にダラダラと先走りを溢れさせていた。霧咲はそれを見て俺もまだまだ若いなぁ、と笑った。 「挿れるよ、」  霧咲は、指を抜かれたせいでひくひくと欲しがっている榛名の熟れた後孔に、先端をごりっと押し当てた。自分自身も挿入したくてたまらなかった其処に――ずぶぶぶ、とゆっくりだが一気に押し入っていく。 「あっ、あああ……!!」  身体が待ち望んでいた圧迫感を与えられて、榛名は腰が砕けそうになる。しかし霧咲に両手で腰を支えられてそれは免れた。霧咲は榛名の締め付けの強さに思わず持っていかれそうになったが、あることに気付いた。 「……あれ?もしかして君、挿れただけでイッた?」 「はぁっ、あぁっ……」  強い締め付けの原因は、榛名が挿入と同時に達したからだった。 「ははっ、トコロテンとは恐れ入るよ、暁哉。そんなに俺のが欲しかったの?」 「ん、ぁ……と、ころてん?」  何故今食べ物の話題が出てくるのだろう、と榛名は不思議に思った。しかもところてんなど普段ほとんど食べないというのに。 「挿入した勢いそのまま射精するのをね、トコロテンっていうんだ」  言いながら、霧咲はゆるゆると腰を動かした。イッたばかりの榛名の身体は射精の余韻でふらついていて、霧咲の動きに合わせて揺さぶられる。 「あ、まだ動かないでぇっ」  そう訴えたが、霧咲は一向に動きを止めてはくれない。 「ダメだよ、俺だって君の中に入りたいのをずっと我慢していたんだからね……!」 「……っ」  そう言うと急に榛名が黙ったので、霧咲は確かめるように榛名を呼んでみた。 「暁哉、どうした?」  榛名はゆっくりと霧咲の方を向くと、「ほんと……?」と、蕩けそうな顔で言った。欲しくてたまらなかったのは自分だけじゃないということが分かって、嬉しかったのだ。 「……っ」  そんなに嬉しそうな顔をされたら堪らない。霧咲は榛名の腰をがっしり掴むと、自分本位に激しく揺さぶって本格的な律動を開始した。 「ひぁっ!あっ!あっ!」 「暁哉っ!暁哉っ!」 「ふあっあ!きりさきさんっ……あ!」  激しい動きもさることながら、切羽詰まったような霧咲の自分を呼ぶ声に、榛名は溶けてしまいそうだった。 「あっ!激しい……っ!」 「ハァッ!ハァッ!」  狭いトイレの中では、二人の喘ぎ声も激しくぶつかり合う音も反響してよく聴こえる。榛名はまた非日常的なこの状況にひどく興奮していた。普段見慣れすぎている自分の家のトイレなんかで、激しく犯されているという状況に。  ただ、繋がっているだけ。それなのに、どうしてこんなにも興奮するのだろう。  霧咲の顔も見れないし、全身を優しく愛撫され包まれているわけじゃないのに。霧咲はまるで知らない男のように、後ろから自分を乱暴に犯しているのに。  けれど、本当に知らない男だったら興奮なんかしない。霧咲だとわかっているからこそ、興奮するのだ。  優しい愛撫も包まれる安心感も今はいらない……ただ、繋がっていたい。榛名は涙と涎と溢しながら、霧咲の動きについていった。 「はあっあっ!霧咲さ、きもち、きもちいいっ!もっとぉ!」 「俺も気持ちいいよ、君のナカはいつ来ても本当に最高だ……!ほら、もっと欲しいなら自分からいっぱい腰を振ってごらん?イイトコロに当ててみて」 「あっ!あぁっ!んっ、はぁっ!」  霧咲は律動を止めて、榛名の動きに身を委ねる。自分に腰を支えられたままでゆらゆらと腰を動かし始める榛名の姿はこの上なく淫靡で、霧咲もゾクゾクと沸き上がる興奮を抑えることができない。 「あっ!またおっきくなったぁっ……!」 「君がエッチだからだよ。……ふふ、後ろからだと俺が出たり入ったりしてる様子が丸見えだ。とてもいやらしいから今度動画に撮って君にも見せてあげる」 「やぁっ!撮っちゃだめっ……ひぁあっ!」  霧咲はギリギリまで引き抜いて、そして一気に根本までぶつけるという激しい挿入を繰り返した。榛名のイイトコロを自身の先で擦りながら。  引き抜かれる瞬間が気持ちいいのか、榛名は霧咲を逃がさないようにきゅうきゅうと締め付けてくる。便座に手を付いているので、ガンガン揺さぶられて便座がガタガタと音を立てて揺れている。その音も、激しい行為を物語っているようで二人は興奮した。

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