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第134話 堂島、二宮に好き放題される
「ん、んんぅっ……!!」
二宮の大きな手でがしりと顎を掴まれ、顔を逸らすことなどできない。そのうえ舌で強引に口を割り開かれて、舌を捉えられたかと思ったらいきなり強く吸われた。
「チュ、チュプッ、ジュル」
「んはっ、ンッ、チュ、にのっせんぱ……っ!」
口を閉じれないため、飲みきれない互いの唾液が口端から溢れる。今まで体験したことのない荒々しいされるがままのキスに、堂島は無意識に興奮していた。両足の間に割り入れられた二宮の膝で、剥きだしの状態の股間をぐりぐりと刺激されるのも気持ちよくてますます昂ってしまう。
「あ、あっ!やめてくださいっ!」
「ははっ、何だよお前、既に勃起してんじゃねぇか。キスだけで興奮したのか?」
「ち、ちがっ」
「違わねぇだろ」
「あぁっ!」
今度は、ふくらみの無い飾りのような胸の突起をギュッと強く摘ままれた。摘ままれたというより、引っ張られて捩じられた。堂島はたまに自慰でも乳首をいじるせいか、ビリッとした強い刺激はそのまま下半身の快感に直結した。
「あ……ああ……っ!」
「乳首も感じんのかよお前、女みてぇじゃん。なあ、気持ちいいか?」
「そ、んなこと……あ!」
「とか言ってもう先走り垂れてっし、説得力ねぇなぁーホント」
「うぅ……んあぁっ」
相手が男だと分かってはいるけど、こんなことをされて興奮しない方がおかしい。男同士のセックスに興味があったのも事実なのだから。しかし相手は職場で毎日世話になっている先輩で、背徳感が凄い。
しかしその背徳感が逆に興奮を誘っていた。勿論酔っぱらっているのもあるのだが、それ以上に普段は温厚な二宮が見せる凶暴な一面が、この上なく堂島を興奮させているのだった。
「あ……二宮せんぱ、も、やめっ」
「やめねぇよ、気持ちいいんだろ?」
「はぁあんっ!」
二宮はニヤニヤと余裕な表情で堂島を見下ろし、そそり立った堂島の股間と乳首を同時に弄っている。口調は乱暴なくせに、手つきは妙に優しくいやらしくて、的確に堂島の感じるところを刺激していた。同じ男だからか、気持ちいいところはなんとなく分かるのだ。
そして堂島も二宮の与えてくれる気持ちよさに抗えず、素直に声を上げて二宮を喜ばせていた。
もう、抵抗などはとっくに口だけになっていた。 そして。
「あ!あ!せんぱっ、俺もう、イクッす……!」
「あ?イク?……じゃ、そろそろ俺も気持ちよくしてもらうか」
「え……えっ?」
二宮は堂島が射精する寸前までペニスと乳首を刺激して追いつめていたが、堂島がそう口にした瞬間、ピタリと全ての愛撫を止めた。
堂島は口先だけとはいえ、先程まであんなに嫌がっていたくせに二宮にイカせてもらえなかったことに対して思い切り不満を露わにした表情をした。
「イカせてもらえなかったからってなに不満そうな顔してんだよ、後輩の癖に本当に図々しいなおまえ。何事も先輩が優先だろうがよ」
「だ、だって……」
「降りろ」
「え?」
「ベッドから降りて、床座れ」
二宮は一体何をさせる気なのだろうか。なんとなく、考えなくても予想は付くが、いや、でもまさか……堂島はどんどん蒼褪めていく。
ぺたりと床に座りこんだ堂島の前に、ベッドに腰かけた二宮が自身のベルトを外し始め、堂島は絶望した。最悪な予感が的中しそうだからだ。ちなみに二宮はまだ一枚も服を脱いでいないため、半裸なのは堂島だけだった。
「ッ!?」
二宮が自身の猛った性器を取り出した瞬間、堂島は驚愕した。
(先輩のチンポでけぇぇ!!よ、よくそんな凶悪なモノが今まで大人しく隠れてたな!?)
二宮のモノは、今まで堂島が見たこともないサイズだったのだ。その上赤黒く、血管がビキビキと筋を立てていてとても荒々しい生き物のようだ。初めて間近で見るその物体に、思わずゴクンと生唾を飲んだ。
「……今から自分が何をすればいいのか、言わなくても分かるよな?」
「いやっ、こんなデカいの俺の口にはとても!」
「おら、とっとと口開けろ」
「え、あッ……ムグウッ!?」
伸ばしっぱなしの前髪をひっ掴まれたかと思ったら、いきなり口の中にその凶悪なモノを思いきり突っ込まれて思わず噎せかけた。
「噛んだりしたらおまえ、即座に同じことしてやっからな」
「むぐ、むうぅッ……!」
脅された上に後頭部を抑え込まれて、もはや堂島に抵抗する術などない。堂島は二宮の太ももを掴んで、もごもごと頭と舌を動かし始めた。味わったことのない苦味が、口中に広がる。
「あ……やべ……ヘッタクソだけどやっぱフェラってきもちいーわ」
二宮は口内の生温い気持ちよさにうっとりと恍惚な表情をしているが、堂島は真逆だった。
(めちゃ苦しいし、吐きそうっ……!)
今すぐこの行為を止めたい。しかし頭を押さえつけられていて逃げられないし、今の恐ろしい二宮に逆らえる気もしない。
いつのまにか、堂島の目からは涙がぼろぼろと零れ落ちていた。多分、二宮は自身が射精するまでこの状態から解放してくれないだろう。ずっとこのままでは顎が痛いし、何より苦しくてたまらない。堂島は自分が気持ちよくなるところを、精いっぱい自分が気持ちいいと思う方法で二宮に奉仕した。そしたら二宮の反応は、先ほどとはまた違った感じに変わってきた。
「はッ、やべ気持ちいッ!お前やればできるじゃねぇか」
「むぐッ、グチュッ、ジュポッ、レロレロ……」
褒められて頭を撫でられて、何故か今度は嬉しくなる。堂島は、自分の口淫で二宮が激しく興奮してくれていることに喜びを感じ、二宮の凶悪なモノがまるで愛しいものであるかのように丁寧に愛撫していた。口に入りきらない部分は手で擦り続け、敏感な先の方は舌で突くように刺激する。一番反応がいい裏筋は、舌全体で丁寧に舐めあげた。
「あ……やべ、も、出るッ!」
「え、んぐっ!?」
二宮がそう言った瞬間、離してもらえるどころか頭を強く押さえつけられて、そのまま喉の奥にネバついた液体を思い切り噴射された。
「~~~ッッ!!」
しかも頭は離してもらえず、二宮は全て出しきるように腰を数回振った。離してもらえないせいで、もう喉の奥に出されたものは反射的に飲み込むしかない。堂島は、まるで自分が便器か何かになったような錯覚がした。
「……あー、フェラ最高」
「げほげほげほッ!!せんぱ、これはあまりにもひどっ……!!」
「あー、悪い悪い」
二宮は全く悪びれる様子もなく、堂島にそう言いながら酒を飲んでいる。勿論、それは氷で少し薄まってはいるが、またしてもウイスキーだった。もう止める暇なんか無かった。
「悪いなんてもんじゃ……!?」
思いきり文句を言おうと思ったのに、また口を塞がれた。勿論、二宮の口で。すると口の中に冷たくて苦い液体が唾液とともに注がれてきた。
「ぶっは!ゲホゲホッ!!」
「あ、てめぇ吐きやがったな」
「ちょ、あんた何、これウイスキー!?」
「口直しには丁度いいかと思って」
二宮は真顔で淡々と言う。そういえばさっきイく寸前だった自分自身はすっかり萎えてしまっていた。慣れないウイスキーを飲まされて頭がフラつくし、二宮はイッたのでもうこれで終わりにしてもらおうと思ったのが。
「じゃ、またベッド上がれよ」
やはり、そう簡単には見逃して貰えないのだった。
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