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第135話 堂島、新しい世界の扉を開く

「あ、あのぅ二宮先輩、ほんとに最後までヤるんですか……?」 「あ?ヤるけど?」  二宮はオドオドと尋ねてきた堂島に向かって真顔で即答した。その顔は普段見せる顔と大差ないというのに、言ってることは100%真逆だ。 「ッ……!」  堂島はもう、本当に腹を括るしかないと思った。あのエロ動画や二宮の言うとおり気持ちよかったとしたら、新しい世界が開けてそれはそれでいいじゃないか……。  もはや堂島も、既に正常な判断が出来なくなっているのだった。  そして二宮は着ているものを全部脱ぎ、床に一枚ずつぽいぽいと放った。それを見て堂島も同じように中途半端に脱がされていた服を脱いだ。ふたりして、ベッドの上で全裸の状態だ。  もはや男同士だということも、職場の先輩後輩だということもどうでもよくなっていた。二宮が、堂島が、本当は誰を好きなのかということすらも。 * 「じゃあ枕の方に手ぇついて、俺にケツ向けろ」 「は、はい」    堂島はおそるおそる身体の向きを変えて、四つん這いになる。二宮の方にくいっと尻を上げると、恥ずかしさのあまり枕に顔をうずめて悶絶した。枕からは、二宮の匂いがした。 「あぅッ!?」  いきなり尻を強く叩かれて、強い痛みが走った。堂島は思わず腰をがくんと砕けさせる。 「はは、簡単に他人にケツ向けてんじゃねーよ、スパンキングしたくなるだろ」 「あ、あんたがケツ向けろって言ったくせに!」 「あんたぁ?」  堂島の言葉が気に入らなかったのか、二宮はギロリと一睨みすると再び両方の尻を交互に強く打った。 「すいませっ……先輩っ!あぁっ!」 「ははっ、楽しー」  心底楽しんでいるような二宮の表情と態度に、堂島の身体の芯が震える。こんなに酷いことをされているというのに、どうして全く逆らえないのだろうか。  それどころか、身体は痛みの中にある快感を拾いつつある。またぼろぼろと涙を流しながらも、堂島自身は再びぐぐっと上を向きだしていた。 「堂島お前、ケツ叩かれて感じてんのか?すげぇなオイ、真性の変態じゃねーか」 「んなの、知らな……っ!」  変態だなんて、他人のケツを楽しそうに叩きまくる手前が言えた義理かと言いたいが、また叩かれそうなので言えなかった。 「はっ、じゃあコレどう説明すんだよ?あぁ?」 「ああぁッ!」  足の間からにゅっと手を突っ込まれて、勃起しかけていた自身を強く掴まれて悲鳴が出た。そのまま上下に数回しごかれて、あっという間に堂島のモノは硬さを取り戻す。弱い先端部分を親指でグチュグチュと捏ねられるように刺激されると、トロトロと先走りまで溢れ出した。 「あ、あ、あぅっ……きもちいい……」  どうして自分はこんなに感じているんだろう。  非日常的な状況に興奮しているから?  それとも……  相手が、二宮だから?  もう分からない。 「このドМの変態野郎。痛くされんのが好きならもう優しくなんてしてやんねぇからな」 「はい?」 (誰が、いつ優しくなんてした!?まさか今まで、優しくしてたつもりかよ!?)  淡々と笑いながら言う二宮の言葉を聞いて、再び背中にゾワッと寒いものが走る。  そして。 「ああああッ!!?」  いきなり後孔に指を突っ込まれて、堂島は驚きと苦痛に叫んだ。色んな体液で多少は濡らされているとはいえ、本来入れるところではないソコは侵入者の存在を激しく拒んでいる。 「おい、お前のケツ指もろくに入らねぇぞ。もっと緩めろよ。これで本当にチンコなんか入んのかよ……」 「無理っ!てか、ローションかなんか使わないと入りませんから!痛いです!抜いて下さい!!死ぬ!!」 「チッ」 「ひぅっ」  二宮はイライラしたように舌打ちすると、堂島から指を引き抜いた。堂島は抜かれる瞬間にも声を洩らしてしまい、そんな自分に嫌気が刺す。  二宮は堂島の上から退くと、キッチンへと向かった。そこでなにやらゴソゴソ何かを探している。 「……?」 「潤滑油、ってんならなんの油でもいいんだよな?」  急に堂島の方を振り向いて、そんなことを聞く。 「え……え?」  戻ってきた二宮の手には、サラダ油があった。確かに油には違いない……けれど。 (サラダ油って……俺をフライにでもする気かよ。せめて身体に良さそうなオリーブオイルとか……)  動揺する堂島は無視し、二宮は手に油を出している。布団にも油が掛かっているのに、気にもしていないようだ。 「おい堂島、またケツ向けろ」 「も、もう、ケツは叩きませんか……?」 「あ?叩かれてぇのかよ」 「ちち、違いますよお!!」  余計なことを言うんじゃなかった、と少し後悔しながらも、堂島は再びおそるおそる二宮に尻を向けた。 「ひっ……」  今度は叩かれなかったが、グイと尻タブを思い切り開かれて、中心に油を塗りたくられた。やられていることもさながら、二宮にそこをまじまじと見られ触られている。こんな、歴代彼女にも晒していなかったような部分を。  恥ずかしさで顔から火が出そうだが、それ以上にひどく興奮した。 「あぁっ」 「お、今度は入る……はは、にゅるにゅるしてんじゃん。それに中あっつい」 「あ、あ……!」  今度はいきなり指を二本入れられて、出し入れされている。圧迫感は変わらないが、先ほどよりも痛くない。油様様だ、と堂島は思った。 「なあ、気持ちいいか?」 「う……あんまり……」  しかし、期待していたような気持ちよさは全く感じなかった。ただひたすらに感じたことのない圧迫感と激しい違和感を感じるのみだ。それでも、二宮の指がナカに出入りするたび、油まみれのにちゃにちゃという卑猥な音が静かな部屋に響いて、堂島は頭がおかしくなりそうだった。

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