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第136話 堂島、罰ゲームを科せられる
「なんだよ、つまんねぇ……つうか前立腺ってどこだよ?」
「んなの俺が知るワケ……!?ん、ぁあっっ!!」
話している最中にいきなり堂島が先程とは少し違う響きの悲鳴を上げた。なにやら二宮の指がイイトコロに当たったらしい。
「あ?ここ?これかー前立腺って」
「ひあ、あッ先輩!ちょ、そこやばい!待って、待って待って待って!!」
二宮は、身体をくねらせて喘ぎまくる堂島の反応を楽しそうに見ながら前立腺を刺激し続ける。わざと音を立て、堂島を煽るように。
「ははっおもしれー、此処ってそんなに気持ちいんだな。すげぇ女みてぇな声」
「も、やめ……あ、ああっ!ひうぅ!」
堂島の反応が面白くて、二宮の指の動きはますます速くなる。まるで遊ぶように二本の指を使って前立腺とその周辺に強い刺激を繰り返した。
「あッあッあ~~だめぇッ!!先輩っ!もうちょっとゆっくりして……!!」
「だから、嫌だって。もっと女みてぇに喘げよホラ、チンコも同時に擦ったらもっとよくなるんじゃね?」
二宮は前立腺を弄りながら、開いていた手で堂島の肉棒にも手を伸ばし、上下に激しく擦って刺激を与えた。
「ああぁっ!も、ほんとにダメですってぇ!そんなことされたら俺っ!!」
堂島は、二宮に与えられる刺激が気持ち良すぎてなんだか目の前がチカチカしてきた。もう抵抗などひとつもできずに声を上げるだけの存在になってきている。
「ふあぁ、あんッ、アッ、あッ」
「なぁ、ケツん中気持ちいいかよ?堂島ァ」
(そんな、耳元で囁かれたら……!)
「き……きもちいいッ!」
「でもさーお前、ある意味ラッキーなんじゃねぇのか?」
もう、これ以上我慢などできない。
気が遠くなりながら、二宮の声をぼんやりと聴いていた。
(何がラッキーなんだよ……)
「だって今、大好きな榛名さんと同じ経験できてんだぜ、おまえ」
(榛名くんと……おなじ……)
「……も、イクッ!ああァッ!!」
堂島は後孔と自身へ繰り返される強い刺激、それと二宮がわざと耳に当ててくる吐息に煽られて、シーツの上に思い切り吐精した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「あ、何?お前イッたの?うわっ、布団ドロドロじゃねーかオイ」
(今さら布団の心配かよ……)
「だって、言ったらまたさっきみたいにイク前に止められると思って……」
さっき射精寸前に止められてフェラを強要された。だからもしイクと叫んだら、また同じことになるんじゃないかと思ったのだ。
「だからって人の布団で思いっきり出してんじゃねぇよ。ふざっけんなお前」
「ヒッ!」
二宮がベッドの横の壁を思い切り蹴ったので、堂島は身体をビクッと震わせた。布団が油まみれになっても気にしてなかったから、別にいいと思ったのだ。
けれど、自分が汚すのと他人に汚されるのとでは違うのかもしれない。自分だってその感覚は同じだ。
「ご、ごめんなさい……」
だから、堂島は素直に謝った。イッたのは二宮のせいだというのに、完全に自分が悪いと反省している。二宮は縮こまった子犬のような堂島の姿を見て、ニヤリと笑った。
「許さねぇ……お仕置してやる」
「え?」
「お仕置っつか罰ゲーム?このウイスキー、一気飲みしろよ」
「ええ!?」
堂島はビールが好きで――というか、ビールとチューハイくらいしか酒は飲めないのだ。日本酒も焼酎もワインも苦手なのに、ウイスキーなんて冗談じゃない。さっきも口移しで飲まされそうになったが、反射的に吐き出してしまった。
「や、俺、まじで強い酒は無理なんす!すっげぇ頭痛くなるっつーか、苦いのが嫌いで」
「ごちゃごちゃ言うなっつの。罰ゲームなんだから苦手で結構だよ」
「ええええ……」
堂島の言葉など一切聞く耳を持たず、二宮はベッドの上からグラスとウイスキーを手に取ってトクトクと注いでいる。氷は解けてしまっているが、追加したりはしないのでほぼストレートだ。
「ほら、呑めよ。イッキだ」
「ま、まじで無理です……勘弁してください」
「お前、俺の酒が飲めねぇのか?」
「俺が持ってきた酒ですけど!?」
手も首も振りつつどうしてもグラスを受け取ろうとしない堂島。さすがに二宮も諦めたのか、また舌打ちをしてグラスの中身を半分自分で呑んだ。
(ゲッ!)
一瞬止めようと思ったが、そうすると自分が呑ませられるハメになるので堂島には止められなかった。
「プハッ……じゃあお前、ケツから飲めよ」
「はい?」
一瞬、何を言われたのかが理解できなかった。というか、言葉は理解できてもその内容が理解できない。ケツで呑む?酒を?……どうやって?
二宮は呆けている堂島をよそ目にグラスを元の場所に置くと、ウイスキーを瓶ごと手に取った。
(ま……まさか……)
まさかとは思うが、まさか。
「水分は胃で、アルコールは腸で吸収されるんだよ。だから入るのが逆からだって、アルコールなら難なくイケんだろォが」
二宮は、堂島の尻の穴にウイスキーの瓶を直接突っ込むつもりらしかった。
(あ……ありえねぇ!!それだけはマジでありえねぇ!!)
「おら、ケツ向けて高く上げろ。3秒以内にな」
「せ、せんぱい!!それは!」
「いーち、にーい、」
「む、無理ですぅ!!そんなの突っ込むくらいなら、いっそ先輩のチンポを突っ込んでください!!」
(……は?)
自分は今、何を言った?
なんとなく鉱物をぶち込まれるよりかは、人体の一部の方がまだマシだと思ったのだが……ウイスキーの瓶の口よりも、二宮のモノの方が大きいことは別にして。
「へぇ?お前、俺に突っ込まれたいのか」
「あ、いやその、今のは」
(でも、瓶を突っ込まれるよりかは精神的にマシ……なのか?)
ちらりと目線を下に向けると、嫌でも勃起した二宮のモノが目に入る。凶悪で凶暴そうなソレは、凶器のようにも見えた。
(ぜ、全然マシじゃなかったぁぁぁ!!)
「可愛いこと言ったから、罰ゲームはチャラにしてやるよ。じゃあ、お望み通り俺のマグナムを思い切りぶち込んでやるからケツを向けろ」
「思い切りじゃなくてぇ!!その、俺、処女なんてせめて優しく入れてくださいっ!」
イチかバチかで、甘えてみた。その態度が逆鱗に触れたら最後だが、交渉しない余地は無い。
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