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第152話 家族風呂にて②

榛名が自分からこんなことを言いだすのは珍しい。なので霧咲は一瞬目を丸くしたが、すぐに「いいよ」と返事をした。 許可を貰った榛名は嬉しそうに微笑んで、霧咲のほどよく筋肉の付いた腹をツウーっとゆっくり指で撫でながら、霧咲のモノが目の前に来る位置までしゃがみ込む。そしてうっとりとした顔つきで先端に口付け、先走りをジュルッと吸ったあと、口に入るところまで咥えた。 「んっ……」 なまあたたかい粘膜に包まれて、思わず霧咲の口から色っぽい声が漏れる。榛名はその声を聴きながら、唇と舌を巧みに動かし口のものを愛撫し始めた。 霧咲がもっと興奮するようにと、沢山の唾液を絡ませながら頭を前後に動かし、浴室内にジュプジュプという音をわざと響かせていく。 「暁哉……すごく、気持ちいいよ」 優しく自分の顔を撫でる霧咲を見上げて、榛名は咥えたままで嬉しそうに微笑んだ。すると、口の中のモノは更にグッと質量感を増してくる。 「んッ……ふぅ、んぐ」 もごもごと口いっぱいに頬張りながら、今自分は世界で一番美味しい物を食べているような気分になってきた。自分でも、どうかと思うくらいに興奮している。霧咲を愛する気持ちが溢れすぎて、自分では到底止められないのだ。 ゆっくりねっとりとした愛撫をしばらく続けていると、ついに霧咲が限界を訴えてきた。 「はぁッ……悪いけど、気持ち良すぎて君の口の中に出してしまいそうだからもう離してくれる?」 「んむ……むうぅ」 榛名は妙な声を上げて『このまま出してもいい』、という意思を霧咲に伝える。今、止めたくないと思ったのだ。 「暁哉……俺としては君の中でイキたいんだけど」 (どうせ、一回だけじゃ治まらないくせに) そう言いたげな顔で、榛名は霧咲のモノを咥えたまま霧咲を見つめた。絶対にイクまで離しません、という強固な意思表示のつもりだ。 「ええー」 霧咲は珍しく少し呆れたような声を出したが、けど観念した、という表情で黙った。自分の言い分が勝ったと理解した榛名は、止まっていた愛撫を再開した。 (舐めてるだけなのに、なんでか俺も気持ちいい……誠人さんも、気持ちよくしたい) いつも自分の方がほぼされるがままに気持ちよくなっているので、榛名は少し気にしていたのだ。そう思うのは、自分も男だからだろうか。霧咲に挿れたいなどと思ったことは、今まで一度もないのだけれど……。 でも自分の愛撫のせいで霧咲が感じている顔を見るのは、すごく恍惚な気分だ。 そして、ラストスパートとばかりに榛名は先端のスリットをジュルジュルと吸い出していく。苦みと塩気の交じった味がするが、気にせずに唾液とともに飲み込む。 「ッ出すよ!」 霧咲の切羽詰まった声がして、一瞬グッと顔を強く抑え込まれる。そしてそのまま喉の奥に、熱い液体が注ぎ込まれた。 「ん、んん……ッ!」 噎せないように気を付けながら、榛名は先端から溢れてくる苦みの強いドロリとした霧咲の精液をゴクゴクと上手に飲み干した。 「はぁ、んふ……っ」 霧咲の精液を全て飲み込んだあと、榛名はその場にペタンと座り込んでしまった。まだ殆ど何もされてないというのに、なんだか身体に力が入らない。 「大丈夫?ほら、そこの椅子に座って。身体を洗ってあげるから」 「え、あの」 榛名はグイッと腕を掴まれて立たされ、檜製の椅子に座らされた。霧咲も自分が座る椅子を持って来て、榛名の真後ろを陣取っていた。 なんだか少し拍子抜けな気がして、榛名は無言で霧咲の方を振り返る。 「そんな残念そうな顔しないで?気持ちよくしてくれたお礼に、俺も今から沢山やらしいことしてあげるから」 「……っ!」 期待している気持ちを見透かされて恥ずかしい。けれど、自分も早く全身を触れられたくてたまらないのは事実だった。なので恥ずかしさを誤魔化すように、催促をした。 「早く、……」 「うん。ここ一応時間制限があるみたいだから、早くしないとね」 「あ」 そうだった。確か家族風呂の制限時間は一時間だったはず。ゆっくりフェラなどしてる場合ではなかったのだ。 少し正気を取り戻しかけた榛名の身体に、霧咲はゆっくりとお湯を掛けた。 「あつっ」 「え、気持ちいだろ?熱いの苦手だったっけ」 「や、ちょっとびっくりしただけです」 「だよね」 霧咲はボディーソープを手に取ると、自分の手のひらで泡立て始めた。 「あ、身体洗うタオル脱衣所に忘れました」 「そんなのいらないよ、手で洗ってあげるから。それにその方が君に沢山触れるだろ?」 「……」 何故か、霧咲の言葉が聞いていて恥ずかしい。さっきまで、自分の方がひどく大胆なことをしていたというのに。 でも、同時に期待してしまう自分があさましいとも思う。早く霧咲にグチャグチャにされたい。その立派な肉棒で、いつものように身体の芯まで貫かれて、頭がおかしくなるほど気持ち良くなって、ドロドロに溶かされたい。 「お待たせ、洗うよ?」 優しくて裏がありそうな霧咲の声に、榛名はゴクッと喉を鳴らして反応した。

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