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第153話 家族風呂にて③

「まずはココからだね」 榛名の両脇から泡まみれの霧咲の手が前に伸びてきて、榛名の両乳首をきゅっと捉えた。 そのままいつものように、コリコリと強く引っ張られるように愛撫される。 「ぁんっ」 「全身、しっかり洗ってあげるからね」 洗われるというか、普通に触られてつねられ、揉まれている。泡でヌルヌルとしているため、榛名はベッドで普通に触られるよりも数倍は感じていた。風呂でセックスをしたことはあるのだが、ここがいつもの自宅の風呂場ではないという事も立派な興奮材料の一つだ。思わず甘い声を上げずにはいられない。 「ひあぁっ……!そこ、ダメ……っ」 「ダメ……じゃなくて?」 「あ……いい、気持ちいいっ…」 「うん、君はここを触られるのが好きだよね」 (好きなのは、そこだけじゃないけど……) 何度も身体を捩りながら可愛く反応する榛名の身体の至るところを、霧咲は片手で抱きしめながら愛撫し続けた。 けれど、肝心なところ…榛名が一番触って欲しい中心には一切手を触れようとしない。 さっきキスの最中に触っただけだ。 「あ、の、誠人さん……っ」 「ん?」 「ちゃんと、触って……」 「触ってるだろ?君の色んなところ」 榛名の言いたいことは分かってる癖に、ニヤニヤと意地悪そうな顔で笑う。相変わらず、好きな子をイジメるのが好きらしい。 榛名ももう分かってるので、無意識に霧咲が喜びそうな被虐的な表情をする。 「違、だから、俺のっ」 「俺の?」 「俺のここ……洗ってくださいっ」 榛名は霧咲の手をグイッと引っ張ると、自分の股間を握り込むように誘導した。霧咲はわざとらしく「ああ、」と今気付いたように言い、丁寧に榛名のモノを洗い始めた。 「ひあぁっ……あん、あぅっ!」 「すっかり忘れてたよ、君はココを触ってもらうのが一番好きだってコト」 以前、霧咲は榛名をいじめるのは基本的に全てプレイだ、と言っていた。前はそれが分からなくて、霧咲の冷たかったり酷い言葉や態度に「嫌われたかもしれない」と泣いたりしたこともあったけど、今はなんとなくその楽しさが分かる。 榛名は苛められたいわけではなくて、逆に煽りたくなるのだが。 霧咲の手淫は巧みで、榛名がイキそうな寸前でわざと手を止めたりしてくる。気持ち良くて頭がどうにかなりそうだが、榛名はそれより上の快楽を知っているため素直に求め始めた。 霧咲が喜ぶ方法で。 「ハァ、ハァ……あ……もっと」 「ん、何?」 「もっと好きなとこ、ありますよ……俺が誠人さんに、触られる場所」 「へえ……どこ?俺の知らないところかな」 今や榛名の身体で霧咲の知らないところなど一つもない癖に、よくそんな白々しいセリフが吐けるものだ。 けれど、今更そんな無粋な突っ込みはしない。榛名は、いつの間にか霧咲のプレイを自分も楽しんでいた。 「ここです……」 自分のモノを愛撫していた手をそっと引っ張り、霧咲に凭れかかって両足を大きく開く。そして先ほどから疼いて収縮を繰り返している菊門にグッと触れさせた。 「ここを触られるのが、一番好きなの?」 「そう……です。ここも、綺麗に洗ってくれますか……?」 「いいよ。そうやって頼まれると、俺にも分かりやすくて助かるなぁ」 霧咲の指が、つぷんと音を立てて榛名のナカに侵入してきた。榛名は一瞬ぴくっと身体を固く反応させたが、霧咲がソコをほぐしやすいようにと息を吐いた。 最初は一本だった指は次第に二本、三本と入っていき、榛名のソコを順調に拡張していく。 「あ……あぁ……っ!」 「君は本当にここを触られるのが一番好きなんだな……感じてて、可愛いね。俺の指をきゅうきゅう締め付けてくるよ」 凭れているせいで、霧咲自身が再び固くなっているのを榛名は背中で感じている。それがヌルヌルと背中や腰の辺りを掠めてくるのがたまらない。それと、耳元で低い声で囁いてくる霧咲の言葉攻めにも。 そろそろ、榛名も我慢の限界だった。霧咲が欲しくてたまらない。 「誠人さん、もう……っ!」 もう挿れて、と言おうとしたら、霧咲の方から何か言ってきた。 「中の方がうまく洗えないから、浴槽に手を付いてお尻を俺に向けてくれる?」 「はいっ……」 (早く、早く早く早く……!) 急かしているのか、急かされてるのか。もうどちらなのか二人とも分からなくなっていた。 榛名が腰を上げて浴槽に手を付いて尻を高く上げると、すぐに欲しかった霧咲の肉棒が榛名の肉を割ってズブズブと侵入してきた。 「はぁっ!はぁぁあん……!!」 「んっ……すごい、いつもより締まってるね!」 「だって……!」 いつもよりひどく興奮してる。場所にも、霧咲の愛撫にも、まだあまり慣れてないわざとらしいプレイにも。 それに、榛名はいつも以上に霧咲が欲しくてたまらなかった。 初めての警察からの職務質問に動揺して、自分に自信を無くして、生まれた不安な気持ちを全て霧咲が与えてくれる快楽で流そうとしている。そんな自分の弱さからも目を逸らしたかった。霧咲に慰めて欲しかった。 こんな情けない気持ちは霧咲には話せない。 だから代わりに、身体を求めたのだ。 霧咲はそんな榛名の思惑に、果たして気付いているだろうか。 (気付かないでいい。むしろ、絶対に気付かないで欲しい……) 話したって、慰められたって、どうにかなる問題じゃない。自分が変わらないと意味がないのだ。ならば、余計なことを話して心配を掛けたくない。 決めるのは全て、自分自身なのだから。 今までと同じように……。 「暁哉、少し力を抜いて」 「はぁっ……」 「そう……上手だね。もっと深く挿れるよ」 途中で止まっていた霧咲の肉棒が更に奥まで突き進んできて、榛名を完全に串刺しにする。 何度もそれを受け入れてきた榛名の身体は、それだけでも感じる身体に変化していた。 「はぁっ……ぁぁ、きもちいぃ!」 「俺もいいよ……!君のナカは本当にいつも最高だよ、暁哉!」 「動いて!もっと気持ちよくして……?」 軽く尻を振って、更に霧咲を煽る。霧咲は素直に榛名に煽られて、その細い腰に手を添えると激しく腰を前後に動かし始めた。

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