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第177話 二宮が前回やらかしたこと

 二宮は、本当に優しく堂島の身体を暴いていった。まるで確かめるようにそっと触れたかと思えば、指先だけで官能的にするすると撫でる。  それらの愛撫の途中にはキスも忘れない。いつのまにか堂島の着ていたバスローブは脱がされて全裸になっており、二宮も全裸で肌と肌が直接触れ合うのがきもちよかった。 「ふぁッ……ぅ……」  思わず甘い声が漏れたが、恥ずかしくてきゅっと口を閉めた。 「声我慢すんなよ、聞きたいから」 「はい……あッ……」  耳の中を舐められながら、低い声でそう囁かれる。それだけで背中にゾクゾクしたものが走り、ぴんと張りつめた。  それにしても、二宮は本当に処女を相手にしているんじゃないか、とされてるこっちが勘違いしそうになるくらい優しかった。恥ずかしくなるくらいに。  なので…… 「あっ…あの……二宮先輩」 「ん?」 「ちょっと……あんまり優しくされると俺も恥ずかしいんで、もっとガッと来てくれませんか、ガッと」 「はあ?お前が恥ずかしがってるのを見るのがいいんだろ」 「ちょ、確信犯なのやめてくださ……あッ」  平らな胸を軽く撫でられたかと思ったら、次の瞬間乳首をきゅっと強めに摘ままれた。突然与えられた強い刺激に、ビクンっとまた身体が跳ねた。 「お前、胸も感じるんだな」 「う……そんなん、聞くなってぇ…!」  つい、敬語を忘れてしまった。以前ウイスキーを飲んだ二宮にタメ口をきいたら酷く怒られたが、今の二宮はスルーだ。そして再び胸を撫でながら、ぽつりと呟いた。 「やっぱ平らだなー……」 「たりめーでしょ、男なんだから!つまんないなら触らないでくれます!?」 「いや、つまんなくはねぇよ。むしろ平らなのに乳首だけ立っててエロく感じる」 「はあ?アッ……!」  右の摘まんでいたと思ったら、反対側の乳首をぺろりと大きく舐められた。そのまま口に含まれて、舌で刺激されながらちゅうちゅうと吸われる。  摘んでいる方も、コリコリと指先で何度も捻って刺激を与え続けている。 「んっんっ……!や、せんぱ、吸わな……!」 「気持ちいいか?」 「きもちいっ…けど、はずいから!!」 「恥ずかしいことだろ、セックスって……でもこれからもっと恥ずかしいことすんのにお前、こんなんでギブアップすんなよ。つーかもう既にセックスしてるんだろ?俺と……」  二宮の言い草は、だからこんな刺激はとっくに慣れてるんだろう、と言わんばかりな感じだ。堂島はムッとして反論した。 「そうですけどっ、前はこんなんしてくんなかったし!つーか何もかも性急だったから恥ずかしがる暇も与えて貰えなかったっていうか!」 「ん?」  そこで、二宮は一旦愛撫を止めた。 「参考までに聞くけど……」 「はい?」 「俺、前回……お前に何やらかしたんだ?」  堂島は、あの夜の出来事を二宮には『口じゃ言えないくらい酷いことをされた』『無理矢理ヤられた』『とにかく激しかった』みたいに抽象的なことしか伝えていなかった。  口にするのが恥ずかしかったのもあるが、敢えて言わない方が色々想像をかき立てられてそっちの方がいいクスリになる……と思ったからだ。それに、そこまで詳しく内容を聞かれたことも今まで一度も無かった。(それもどうかと思うのだが) 「……聞きたい、んスか?」 「参考までにな」 「参考にされたら困るんですけど」 「いや、しないって。とりあえず聞くだけだよ」 「はあ……」 (つーか、今聞くことかよ……)  そう心の中で突っ込みながらも、堂島はごにょごにょと話し出した。 「まずはフェラ強要でしょ……」 「グフッ!」  その単語だけで、二宮の心にダメージを与えてしまったようだ。恐らく優しい二宮は、歴代彼女にはフェラすらさせてなかったのではないか、と堂島は思った。 「だ、大丈夫っすか?先輩」 「お、おう……続けろ」 「強要フェラからの口内発射でしょ。で、そのまま精子飲まされて」 「ぅぐっ」 「ケツ向けろって言うから、向けたら激しく何度もスパンキングされて」 「はあ!?」 「サラダ油を潤滑油代わりに下半身にぶっかけられて、無理矢理指突っ込まれて強引に慣らされて、俺がイッて布団に出したらブチ切れて壁を蹴って怒鳴って」 「………!!」 (なんか、ちょっと楽しくなってきた)  あの時抱いた恨みを晴らしているかのように、堂島はすらすらと喋った。 「イッた罰としてウイスキーボトルをケツに突っ込まれそうになって、拒否ったらその代わりにチンコ突っ込まれてそのまま中出しキメられました」  本当はウイスキーボトルを突っ込まれるくらいなら先輩のを挿れてくれ、と自分からオネダリしたのだがそこは黙っておく。  二宮は、青ざめた顔をしてもはや無言で堂島を見下ろしていた。 「あの……まだ聞きますか?」 「まだあんのか!?」 「いえ、あの……」  その後はまあ、自分も気持ち良くなってきて何回か行為を繰り返して、気付いたら朝だったというだけなのだが。 「マジかよ……」 「言っときますけど、俺の創作じゃないですからね。疑ったらブッ飛ばしますよ」 「いや、むしろお前よく俺の事レイプで訴えなかったなって……」 「え、だって」  あのあと、すごく優しいキスをしてくれたから。  つい絆されてしまった……なんて。 「だって、何だよ」 「い、いや……その」 (こんなこと絶対言えるか!!) 「堂島、この際だから全部言ってくれ。俺、お前のこと大事にしてたつもりだったけど、またちょっと認識改めるから……」 「はぁ?何言ってんスか!もう十分大事にされてるし……っだからぁ、好きな人を訴えるなんてことふつーはしないでしょうよ!」  堂島は、元々二宮が好きだったわけではない。尊敬する先輩ではあったけど、恋愛感情なんてものは持ってなかった。  すべて、あの夜の出来事が原因なのだ。  あの日無理矢理新しい世界の扉を開けさせられたりしなければ――……

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