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第203話 明日のことは考えない?

 しばらく向かい合ったままの体勢で睦み合っていたが、榛名が『もうダメ、イく……!』と訴えたところで、霧咲は榛名を横たえると今度は自分が上になった。  榛名ははしたなく両脚を広げたあと、逃がさないとばかりに霧咲の腰に絡ませて、体勢を入れ替えた際に抜けかけていた霧咲のモノをぐっと自分でナカに押し戻した。 「今日のきみは、本当に大胆なことをするね……!」  まさに飲み込まれるといった感じで――どっちが抱いているのか一瞬分からなくなるくらいの――自身をぎゅうぎゅうと肉壁で締め上げるような強烈な愛撫を受け、霧咲は負けじと榛名の腰をしっかりと抱えあげて力強いピストンを繰り返した。  肉と肉が激しくぶつかり合うグチュグチュ、パンパンという音が響き渡り、行為の激しさを物語っている。  霧咲は最初、明日のために優しくしたいと思っていたのに、もうすっかり忘れてしまい相性のよすぎる恋人の身体に没頭していた。 「ああっ! あっ! 誠人さん、キスして、キスしながらイきたぃ……っ!」  きもちよすぎて生理的な涙をぼろぼろと零し、赤い舌をチラつかせながらキスを求めてくる恋人のおねだりに霧咲は応えるようにぐっと顔を近づけたが、寸前でとどまり、恋人の願いは叶えなかった。 「俺もキスしたいのは山々だけど、今日はきみの声を聞きながらイきたいな……!」 「んあぁっ、やだ、キス、キスしてよぉ……っ!」 「じゃあ舌を出して、」 「はぁっ、んぅ……っ!」  榛名が必死で舌を突きだしてきたので、霧咲はその舌に吸いつくように絡みついた。唇と唇を合わせることはないものの、キスには違いない。  二人とも目は閉じずにしっかりと見つめ合い、レロレロ、ぴちゃぴちゃと互いの舌を蛇のように絡ませ合いながら、高みへ上り詰めていく。 「もぅイクッ、いく、一緒にイキたい……っ!」 「んっ、イこう、一緒に……!」 「あっ、あっ! イクイク! い、あぁ~~っ……!!」 「くっ……!」  同時ではないがほとんど一緒に――榛名がイッたあとに霧咲がその締め付けに耐えられず――二人は白濁を放った。  榛名は息を整えながらどさりとシーツに倒れ込み、霧咲はしばらく榛名に覆いかぶさって同じく息を整えたあと、ズルリと自身を引き抜いてコンドームの処理を始めた。  「誠人さん……」 「ん、何だい?」 「それ捨てたらちゃんとしたキス、して?」  榛名はうつぶせの状態から視線だけを霧咲に寄越して、微笑みながらキスをおねだりした。  その誘い方があまりにも扇情的で、霧咲はまた自身にドクドクと熱が集まっていくのを感じた。なので――。 「ンッ、誠人さん、すきぃ……ふぁ……んちゅ……ンンッ!?」 「すまない暁哉、もう一回だけ付き合ってくれ……!」  霧咲は榛名の頭を撫でて優しいキスをしながら、まだ濡れそぼっているソコに再び固くなった自身を予告なしに根元まで一気に突っ込んだ。  今度はコンドームも付けず榛名の了承も得ぬまま、片足を抱え横抱きの状態で、再び激しい出し入れを繰り返した。 「ちょ、待って待って! もうちょっと休んでから……っ! んあぁっ! あっ!」 「今夜の君がいつもより可愛すぎるのが悪い……!」 「なにそれっ!? ……あぁっ! はぁっ、あっきもちいい……! そこもっとぉ」  榛名は顔を必死に後ろに向けて、再び霧咲にキスをねだる。今度は霧咲も素直にその要求に応え、ジュルジュルとお互いの舌を絡ませて唾液を吸い合う情熱的なキスをしながら、ズンズンと奥まで届くような力強いピストンを何度も繰り返した。 「はぁっ暁哉、暁哉っ! 好きだよ、きみを愛してる! 今度はナカに好きなだけあげるからね……!」 「うんっ! 俺も愛してるっ! 俺のナカにたくさん熱いの出してぇっ……!! はぁっ! ああっ!あ――っ!!」  結局そのまま――明日の予定のことは二人して考えずに――先程よりも激しい第二ラウンドを開始し、休憩時間ギリギリまで抱き合っていたのだった。

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