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9-1 初めての情事

 再び目が覚めたとき、俺は知っている宿の部屋にいた。そして側にはユーリスさんがいる。 「あ…」  こみ上げる涙が止まらない。俺はそのままユーリスさんの首にしがみつくように抱きついた。 「ユーリスさん…」 「すまない、遅くなって」 「ユーリスさん…」  泣きながら名前を呼ぶ。体が熱いままだ。奥が疼いてたまらない。触れた肌が汗をかいて、気持ちいい。 「すまない、本当に。少し手間取って遅くなってしまった。あんな奴らに触れさせるなんて…」  抱きついたまま俺は首を横に振る。悪いのは俺だ。開けちゃいけないドアを開けたのは俺だから。 「…きついのか?」  震えながら俺は答えに窮した。  辛い。体が痺れて熱くてたまらない。奥がウズウズしている。何より息子がそのままだ。 「さっき解毒の薬を飲ませたが、まだ効いてこないか」  困ったように気遣わしい表情をしたユーリスさんに、俺は衝動のままキスをした。頬を包むようにして抑えて押しつける。そのまま熱い唇を押し当てた。 「マコトっ」 「ふっ…うぅ…」  熱い、熱い。体が熱い。キスをしたそこから熱が溢れてくる。  遠慮がちにユーリスさんが唇を舐めてくる。俺は素直に口を開けて受け入れた。熱い舌が押し入ってきて、絡め取られる。それだけで頭の中がぼやけていく。  チュッ、と音がして、溢れた唾液が口の端を落ちていく。軽く合わせただけの胸に、ユーリスさんの手が触れている。  熱い。俺の体も熱いが、ユーリスさんの手も熱い。触れた手が胸や腹を撫でるので、俺はその度に声が漏れる。

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