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16-2 スキル「安産」が俺の至宝になる夜
触れていく唇が肌を滑るっていうのは、何というかゾワゾワする。こう……背中の辺りがピンッとなって、その後痺れる。どうしよう、感じ方ってこれで正解?
「マコト、もっと緊張解して…」
肌に吐息が触れるような距離で言われたって…無理!
「ふっ…」
俺はさっきから自分の体なのにコントロール不能。体のラインを確かめるように触れる手や、性感をさぐるような唇の動きに翻弄されまくりだ。
当然だ。20年以上俺って童貞。少し前にユーリスさんに触られたのが実は最初のプチセックス。そんなド素人が敵う相手じゃない。
しかもなんだ、さっきから鼻にかかった「ふっ」とか、「んぅ」とかいう甘い声。俺、こんな声で前も鳴いてたのか?
「はぁ!」
ビクンと体が跳ねる。ユーリスさんの唇が、俺の薄っぺらい胸を舐めている。ってか、そこって男気持ちいいの!
そしてふと疑問。そして焦った。
「あっ、あの!」
「ん?」
「子供、出来るじゃないですか」
「あぁ、そうだな」
「そうしたら俺…その……母乳? 的なものって、出るんですか?」
気まずい沈黙だ。でも、聞いておかないと。
一応男でお母さんですよ、出るもの出るの? もしかしてそこは女性じゃないとダメ? こんな薄っぺらい胸でも飲める? あっ、もしかして最初からそれなりに物が食べれたりする?
「出るはずだ。生まれて一ヶ月は出るな」
「出るんだ……」
うん、あまり考えないようにしよう。へぇ、この薄っぺらい所から出るんだ……膨らむのかな? なんか、男でも胸の少し大きい人っているよね。あの感じ? 赤ちゃん的には万歳でも、俺は不安ですよ? 元に戻るよね?
「そうか…そうだな…」
「え? ふぅ! んぅぅ!」
突然強く平らな乳首を吸い上げられて、俺は仰け反った。痛い、でも気持ちいい。何だろうこの感覚。ダメだ、溺れる。
俺、乳首弱いらしい。知らなかった。知ってたら怖い。でも、ダメだこれ。
チュパチュパ吸われてるだけならまだどうにかなる。けれど強く吸われたり、舌で転がすようにされるともうダメだ。俺、これだけで軽くイキそう。頭ガンガンする。
「はぁ、ふぁ、あぁぁ!」
「気持ちがいいんだな」
ブンブン首を振った。その通り、凄いです。体全部が熱いです。
どうしよう、下トロトロです。ってか、本当にさっきから腹の奥のわかんない部分がキュッとして、ジワジワ痺れるんです。
ユーリスさんはいたく俺の乳首が気に入ったらしい。口でされてなかったもう片方にも、同じようにしてくれて俺は昇天寸前です。
ってか、解放されたほうが凄く艶めかしい。吸われてピンと硬く尖って、唾液で濡れてテラテラだ。しかも色、濃くなってる。これ、本当に俺の体なのかな?
「あっ、そこ…くすぐった…ふっ、はははっ」
乳首咥えながら手が脇腹や臍の辺りを撫でている。そこって本当にツボだからダメ。くすぐったくて息が出来なくなる。でも乳首の気持ちいいと重なって変だ。
「ふっ、ふふっ…ふぁ!」
指先が臍の辺りを一撫でした途端、俺の中が勢いよくギュって締まった。こう、中が引き絞られるみたいに。
突然で驚いたけれど、何なの今の感じ。くすぐったいのとは、明らかに違う。
俺の反応を見て、ユーリスさんはなおのことそこを責め立てる。
記憶力いいよ、本当に。寸分違わずそこだけを責めるんだ。丁度痣の少し上の部分だ。そこを指で、舌でされると変になる。反射のように腰が浮き上がって、中がギュッギュッと絞られていくんだ。これ、少し怖い。
「気持ちいいか?」
「よくない…」
「随分反応しているが」
「怖いよ、これ…俺、なんか変だし…」
「ここは、恐れていないぞ」
そう言って、ユーリスさんは俺の息子を撫でる。ヒクンと強ばったそこは、確かにたっぷりと溢してる。ってか、お漏らし状態くらいタラタラ? うわ、どうしてこんな…。
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