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18-4 竜人の一族って意外といるんだね

「なるほど、貴方の妊娠期間があまりに短いのは、そのスキルのおかげですか」 「…はい」 「このような逸材、聞いた事がない。マコト、この話は決して他の者にしてはいけない」 「特に私の父の耳に入らないように気をつけなければなりませんね。これを聞いたらきっと父は貴方を攫ってでも私と娶せようとするでしょう」 「そんな!」  危機感のあるリュミエールの言葉を引き継ぐガロンさん。とても深刻な顔してるし、サラッと怖いこと言った。攫って娶せるって、そんな。  でも目が笑っていない。冗談ではない証拠だ。 「黄金竜は数が激減しています。父はとても危機感を持っていて、手当たり次第の状態です。以前、ランセルの奥方にも話を持ちかけた事があるくらい見境がないのです。彼はそのようなスキルはありませんし、ランセルが異常なまでに愛情を傾けているのでそうはなりませんでしたが」 「でも、マコトの場合はスキルがあります。喉から手が出るほどの魅力がありますから、なんとしてでもと思うでしょう。攫って監禁する事もあります。ガロンにその意思がなくても、貴方の意識を混濁させてでも強行に及ぶかもしれません。しかも妊娠期間が7日では、本当にプチ旅行的な感じで…」 「怖いですから!」  ランセルさん、もの凄くシャレにならない! ひぃぃ! 「私も親友の奥方を抱くような事はしたくありません。断固として拒否しますから、安心してください」 「はい、お願いします」  このスキル、場所と場合によって生死かかってないか? いや、そんなに種族残すのに必死かよ。怖すぎるって。 「…最悪、黒竜の一族に戦争を仕掛けたり」 「ランセル!」 「ガロンの父君ならばやりかねないと思いまして」  とっても怖い事を言われています。俺、そんなに大変な状況に置かれるの? やっぱ、このスキルってある意味で呪い…。  思って、いやいや違うと考え直す。少なくとも俺はこのスキルで、この人の大切な宝物を与える事ができる。俺の今の幸せを、この先も見続ける事ができるんだから。

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