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第19話
「路ーねぇ!」
「何?由斗」
「いこーよー俺と二人で温泉旅行」
「何で俺がお前と…」
「いいじゃん!」
このやり取りをしたのは何度目だろう?
「何で俺?」
「あれ?言ってなかったぁ?…路に少しでも笑って欲しいから」
「…っ…」
さっきまでいつものようにヘラヘラしてた由斗が急に真剣な表情で言う。こいつ…やっぱ綺麗な顔してるな…思わず見蕩れる
あの由斗にそんな真剣に言われると断るのも申し訳ない…
「ありがとう…わかった。連れてって」
「やたぁ!!日程はねぇ今週末」
「今週末!?」
さっきまでの真剣な表情と声は何処へやら…前から誘われてたからそう遠くない日だとは思ってたけど今週末って…明後日だし!!
とはいえどうせなにもない俺は頷いた。
「路夏。ちょっといい?」
智輝が珍しく真剣な声で話しかけて来た。相変わらず顔は綺麗すぎる笑顔だったけど声のトーンが違った。
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