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第24話
資料室に呼ばれた日の次の日智輝は休みだった
姿が見えないなら…声が聞けないなら…やっぱり寂しいと思ってしまう
何て勝手なんだろう…
もやもやした思いを断ち切りたくて旅行は目一杯楽しむことにした。
由斗は完璧なプランをたてていた。
意外だ…
「次ここねぇ!路は甘いの好きでしょ?」
「うん。好き!」
旅館に荷物を預けた俺たちは食べ歩きの真っ最中だ
「有坂様。こんにちは」
「お久しぶりです。女将」
「…えっと…」
「可愛らしいお友だちですね」
「でしょ?路夏だよ」
さっきから行く店行く店由斗が様付けで呼ばれてる。もう俺はパニックだ
「路?どしたぁ?」
「あのさ…由斗さんって…何者?」
「ぶはっ!!さんって…」
「いやだって…」
「有坂 薫」
「有坂 薫…って…あの!?」
「うん。俺の父。だから俺がすごいんじゃなくて親父が有名なだけ」
有坂薫は若き政治家。世間の評判も頗る良くて時期総理候補との呼び声も高い
「親父が昔は一緒によくこの辺り連れてきてくれてた。近くに別荘があるんだよね。だからみんな覚えてくれてるんだろうね。」
「そうなんだ」
「ははっ。そんな萎縮しないでよ!俺は普通の高校生。すごいのは親父だけなの」
「うん。何でそんな有名なのか知れたからいいや。由斗は由斗だもんね」
そのあとも様付けで呼ばれる由斗と散策を楽しんで旅館へ戻った
「この宿は抽選で当たったんでしょ?」
「そうそう。スーパーの特売の帰りに商店街で福引きやってて。まさかの特賞!たまたまここだったから知ってるとこがたくさんだったから路のことたのしませてあげられるかなぁ?って」
「ありがと。楽しかった」
「温泉入ろう!!大浴場いく?それとも部屋の露天に入る?」
「どっちも!!」
「ふふっ。了解。夕飯前に大浴場行こっか」
そして二人して浴衣に着替え大浴場へ向かった。
時間帯のせいなのかほぼ貸し切り状態でゆっくり入れた。由斗の体が、凄く綺麗で見蕩れるのであった…
部屋に戻ると中居さんがきて甲斐甲斐しく食事を運んでくれた。
料理はどれもとっても美味しくてもうお腹はパンパンだ。
「休憩したら露天に入ろ!」
それから今日のことを話したりして時間を過ごす。部屋の中ばかりいても腹ごなしにはならなくて旅館内を散策した。
「あれ…?」
「路?どしたの?」
「あれって…」
目の前の宴会場の入り口に肩を抱かれた智輝がいた
「仕事かな?」
「仕事?」
「あいつの実家大きな会社であいつもたまに仕事させられてるから…」
俺たちには気付かない智輝を見詰めていると二つの影が重なった。
キスしてる…
もう我慢ならないという表情で男は智輝を部屋に入れた
「…えっと…由斗…部屋戻ろうか?」
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