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第64話
由斗side
「路夏泣かせちゃった…」
「は?」
そんな連絡が来たのはついさっき。
「兄さんと帰ってきたのみて…我慢できなかった…」
「バカ…何やってんだよ…俺が路のところ行って話してくる」
「由…俺…路夏に嫌われたくないよ…」
「…わかってるから…」
もう潮どき…行動に移して智輝を解放してやらなきゃ…
路の部屋の鍵は不用心にも開いていた。鍵を掛け忘れるほどにショックを受けていたんだろう…
「路!入るよ!」
中から返事はない…おそらく泣いてるんだろう…そりゃそうだろう…これまで散々避けられてたのに急に乱暴に抱かれたんだから
路の部屋に行くとベッドに膨らみがあった。
上からとんとんと叩いて声をかける
「路…みーちー!」
ゆっくりと顔を出した路は泣きすぎて目が腫れ服はボロボロのまま丸まっていた
「由斗…何なの…?いきなり…ここから出ていって…」
「ん…それは無理かな」
「散々見せ付けておいて何なの?」
「…理由があるんだ…」
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