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第65話

「やだ!!聞きたくない!!二人でずっと愛し合ってればいいじゃない!俺は…俺は…もう智輝のこと好きじゃない!」 「路…そう言うなって」 「由斗はもう智輝のことそういう意味で好きじゃないって言ってたじゃん!それなのに…やっぱり好きだったんじゃん!さぞかし可笑しかっただろうね!俺の気持ちを弄んで!!」 「路!」 「やだ!!出てって!!」 「路!!」 由斗に押し倒される。そして深く口付けられた 「やだ!!やめて!!そんなの…そんなのいらない!!」 「路!これはお前のためなんだよ!」 「知らない!そんなの知らない!!」 「お前を琉輝さんから守るためだよ」 「…」 「智輝からお前を離しておけば琉輝さんはお前じゃなくて俺にくるって思ってた!だから」 「結局意味ないじゃん!琉輝さんはこっちに来たよ。無意味だったんだ!それに…由斗が言うような人間には見えない!琉輝さんはちゃんと俺だけを見てくれてる!俺のこと必要としてくれてる!!もういいよ!俺は琉輝さんのとこに行く!」 「路!」 「痛いよ!」 由斗に苦しいくらい抱き締められる…由斗の腕の中は悔しいけど安心する… 二人が俺のために…そうだったんだという安堵感… でも…俺のためにしたことはあまり意味がなかった…だったら…始めから離れたくなかった… そしたらこんなにも琉輝さんのこと思わなくて済んだのに 二人がいなくなって寂しかった俺の心を埋めてくれたのはあの人だ… きっともう悪いことはしない気がするんだ…だから… 「離して…由斗…お願い…」 「路…」 「結局俺は何なの?お前たちにとって何なの?都合のいい玩具?」 「違う!…」 「俺は物じゃない。お前たちに守られないとならないほど弱くもない。それに付き合う人は俺自身で決める。出てって…」 「…路!だめだって!琉輝さんはだめ!」 「いやだ。離して!早く出てけ!!」 重たい体を起こして渾身の力で由斗を部屋から追い出した。 「ごめんね…由斗…智輝…俺はもう…琉輝さんに囚われてしまった…」

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