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第97話

お医者さんの診察が終わって側に来た義母さん… 「路夏…これまでいろいろごめんね…」 言葉が出ないのでゆるりと横に首を振る。 理由なんてわかってたから。だから大丈夫 「お兄ちゃん…」 小さな手で二人が俺の手を握りしめる。 「初めまして。優芽です。」 「紡です」 可愛い… 「それと…息吹だよ」 小さな小さな写真を紡が差し出す。 「…」 涙が溢れた… ここまで大きくなったのに…生きていられなかった命… 認めるのが嫌で…俺は会いに行かなかった… 結局目を背けていたのは俺の方… 義母さんが余裕がなかったのに支えてあげることが出来なかった… 苦しいときに側にいてあげられなかった… なのに勝手に嘆いてた… 知ってたんだよ…義母さんも義父さんも優しいこと… 俺を要らないなんて思ったことないことくらい… 優しい掌が俺の髪を撫でた 「側にいてあげられなくてごめんね…遅くなってごめんね。路夏…愛してるわ」

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