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第108話
「みっちー」
律と京が手を繋ぎこちらへやって来た。
二人が夫婦になったことは由斗から聞いていた。二人の薬指にはキラリと控えめにお揃いのリングがひかっていて律のお腹が少し膨らんでいた。
その律を気遣いながら寄り添う京。
「みっちー。おかえり。」
「お前が戻ってきてくれて嬉しいよ。なかなか見舞いにいけなくて…ごめん。お前に会う勇気なかった」
「いいよ。それよりも律体調は大丈夫?」
「うん。もう安定期に入ったから大丈夫」
数年前に作り出された薬で今は男も妊娠できる時代となった。
この数年で世の中は変わっていた。
「まだどっちかわかんないの?」
お腹を撫でながら頬笑む律は女神みたい。
「実はね双子なんだよ」
「そうなの?」
「うん。なかなか子供出来なくてずっと治療してたの。この治療すると結構な確率で双生児以上になるみたい。男の子と女の子の双子なんだよ」
「そっか。多胎児は母体の体への負担も大きくなるから気を付けてね」
「ありがと。智輝とはまだ籍入れないの?」
「まだ先だね。俺がちゃんと社会復帰してからじゃないと俺が余裕ない」
「そう。何かあったら手伝うからね。いつでも相談して」
「うん」
ひらひらと手を降り立ち去る二人の姿は本当に仲睦まじくて何故か涙がこぼれそうになる
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