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更紗の場合/2
「何するの!!離して!!」
「やだ!どうして?何であんなことしてるの?ずっとしてたの?」
「あんたに関係ないでしょ!これ!外してよ!!」
連れてこられたマンションには異様な雰囲気の部屋が一部屋あった。俺はそこのベッドのヘッドボードに手錠をかけられ繋がれた。
その部屋には壁にも天井にも俺の写真がびっしりと張られていてベッドには俺の等身大くらいの人形が置いてあり使用された形跡があった…
「何なの…」
「君は俺のでしょ?」
「は?」
「君は俺の…」
「やめて…やめてよ…ねぇ…」
初めての事にどうすることもできない。
「そっかぁ…俺がちゃんと触ってあげないから寂しくなって他の男に縋っちゃったんだね。ごめんねぇ。これからは俺がたーっぷり可愛がってあげるからね。これまで触れてこなかった分うんと優しくしてあげる」
きっとこれから地獄の日々が始まるんだ…そう思うしかなかった
亜咲もこんな目にあっていたのかもしれない…
俺は求められてもその時だけの楽な相手ばかり相手してきたからこんな恐怖に苛まれたのは初めての事だった。
これまで智輝にしてきたことの罰なのだろうか…亜咲が受けた仕打ちを身をもって体験しろと言う思し召しなのか…
それから何日も何日も美芳に求められる。
でも抱くときは優しくて暖かな人で最初こそあった恐怖心は無くなった。
見た目もキレイだからモテるだろうに何で俺なんかに執着してしまったのだろう…
大学には勝手に休学届けが出されていた。連絡ツールは全て破壊され連絡を取る手段は1つもない。
でもここから逃げ出そうとは思わなくなっていた。
「更紗。ただいま」
帰ってくるとすぐに優しく抱き締め気持ちいいキスをしてくれた。
今は手錠は外されて…でもこの部屋から出ることは許されてなくて外から鍵が掛かってる。
あまりにも優しくていつしか彼の事を名前で呼び愛するようになっていた
「美芳」
「ん?」
「何でこんなことするの?」
「ん?更紗を他の人に見せたくないんだよ。だって更紗は綺麗だから」
そっと俺を撫でる手も優しい
「ねぇ。美芳。俺外に出たいな。美芳とデートしたい」
彼はどんなデートをするんだろう…日の当たる空の下を美芳と手を繋いで歩きたい…
「美芳と…一緒に歩きたい…手を繋いで」
「だぁめ。更紗は俺にだけ見られてればいいの。外に出たら危険が一杯なんだよ?危険にさらしたくない」
「美芳が守ってくれるでしょ?」
「更紗。可愛いけどだめ。わかって?」
「ん~…わかった。その代わり沢山愛してね」
外に出られないのは残念だけど美芳がいてくれるからそれでいい
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