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更紗の場合/6
それからしばらく。
美芳がキスマークを付けて帰ってくる事が増えた。
でももう俺は何も言わなかった。
その上から上書きと称してつけようとすると全力で拒否された。
美芳の気持ちが離れていってるんだと思わざるを得なくて美芳が出掛けた後泣く日も増えた。
美芳の事が大好きで離れたくなくて美芳の言いなりになることも当たり前になっていた。
そんなある日
「更紗。デートしよっか?」
「え?」
とうとう手放されるんだ…そう思い泣きそうになるのを堪え笑う
「うん!行く!!いつ行くの?」
「明日」
「明日?やった。楽しみにしてるね」
その日は喜びと悲しみと入り交じるぐちゃぐちゃな思いで美芳に抱かれた
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