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更紗の場合/9

夕飯も終わり部屋の露天風呂に一緒に入りそこで交わり上がってからも離れ難くてまた交わる 「せっかくなのにやってばっかだね…でも…嬉しい…」 沢山沢山俺に美芳の想いを刻み付けて…離れてしまっても苦しくないように。 多くの華が咲き乱れていく己の体に微笑み幸せを噛み締めていた。 こんなに愛された…ずっと側にいてくれた…始めは最悪だったけどこれまでずっとずっと…ありがとう…美芳… 「あぁぁぁ!美芳…美芳…大好き」 その言葉と同時に俺と美芳は果てた 「俺も…大好きだよ…ずっと…死ぬまで…離したくない」 美芳が果てた喜びから幸せな気持ちのまま意識を飛ばした俺はその言葉は聞こえなかった… 翌日チェックアウトの時間まで部屋でのんびり過ごした 「あっという間だったね」 「そうだね」 「もう帰るの?」 「うん。でもね。お引っ越し」 「へ?」 「あの家には帰らない。このまま新しい家に行くから」 「そうなの?美芳の荷物全部あそこでしょ?」 「うん。大丈夫。必要なのは更紗だけだから」 「何それ…ウケる…俺だけって」 「仕方ないでしょ?本当のことだもん」 電車に揺られついた先は今住んでいるところから更に二駅ほど先の場所。 目の前のマンションは前のところよりセキュリティがしっかりしている場所だった。 「すご…こんなぽんぽんどっからお金湧いてるの?」 「ん?秘密」 「危ないことしてない?」 「してないよ。部屋に戻ったら話してあげる」 美芳に手を引かれ部屋に向かった 最上階の部屋からは街が一望できた。夜の帳が降りて1つ、また1つと増えていく街の明かりがとても綺麗で夜と昼の狭間である不思議な色をした空を見上げ息を吐く 「綺麗…」 「更紗の方が綺麗だよ」 背中から抱き締められて耳元で囁かれる甘い言葉に目を閉じた。 良かった…捨てられる訳じゃなかったんだ… その事実に喜びを噛み締めていた 「ねぇ。更紗。これからここに住むけど家の中は自由に動き回っていい。でも絶対に外には出ないで」 「出ないよ。大丈夫」 一部屋だけから家の中はどこでも自由に行けるようになったんだ。少しは信用してくれたのかな? 「約束ね」 「うん」 「俺ね実は会社持ってるの」 「え?」 「パソコンさえあればどこでも仕事できるしそれなりに仕事入るから以外にお金入ってくるの。でも使うことって食事くらいだからなかなか減らなくて無駄に貯金はある。だからお金それなりにあるんだよ。変なことはしてないよ」 「そっか。良かった。俺にも何か手伝えることある?」 「俺の側で笑っててくれればそれだけでいいよ」 「そう。わかった」 「これから俺は仕事で10日程家を開ける。絶対に誰もいれちゃダメだから。宅配便とか業者の人もいれなくていい」 「わかった」 「更紗…愛してる…」 抱き締めキスをして何度も振り返りながら美芳は出掛けていった。 美芳の不安そうな顔が目に焼き付いて離れなくて… 何を抱えているの?

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